「鍼灸治療には、保険が使えますか?」というご質問をいただくことがあります。
「保険」と一言で言っても、健康保険、傷害保険、自動車保険など、たくさんの種類の保険がありますが、鍼灸は一定の条件の下で各種保険が適応し、医療費の負担を軽減することが出来ます。
このページでは、各種保険の中から、健康保険に関する鍼灸の適応について、説明していきたいと思います
ご参考になさってください。

鍼灸は保険適応か

健康保険とは、国民皆保険制度による公的医療保険のことです。
公的な医療保険制度として国民皆保険制度がとられており、日本国内に住むすべての人が、国民健康保険か社会保険のいずれかに加入することを義務付けられています。

鍼灸の施術においては、一定の要件を満たすことで、「療養費」として健康保険の対象となりますが、療養費の保険請求方法には2通りの方法があります。

●保険適応のための要件
●療養費の保険請求方法

について、解説していきます。

鍼灸は健康保険の適応か

保険適応の要件

一定の要件とは、以下の通りです。

要件1:対象となる疾患(傷病)であること

鍼灸治療が保険適応となる傷病は、以下の6傷病に限られています。

  • 神経痛(例:臀部や下肢にシビレを伴う坐骨神経痛)
  • リウマチ(例:慢性的な関節の痛みや動かしにくいなどの症状がある)
  • 頸腕症候群(例:首、肩、腕にかけて痛みやシビレなどの症状がある)
  • 五十肩(例:慢性的に肩関節に痛みがあり、上肢が上がらない)
  • 腰痛症(例:慢性的な腰部の痛みやぎっくり腰)
  • 頸椎捻挫後遺症(例:交通事故によるむち打ち症)

以上のような慢性的な疼痛を主症とする疾患が対象となります。
アキュモード鍼灸院が得意とする婦人科系の諸症状、妊活(不妊)、更年期症状、眼精疲労、頭痛、耳鳴り(耳閉感)などの症状に対する鍼灸治療は、残念ながら保険適応外となります。

保険の考え方としては、急性傷病などに対するファーストチョイスは西洋医学であり、西洋医学で治療の効果が現れないような時に限って鍼灸が対象となるのです。

要件2:医師が鍼灸の施術を受けることに同意していること

鍼灸の施術を受けることに、医師に同意してもらう必要があります。
西洋医学の治療では効果が現れないような場合に、医師は同意してくださるかもしれません。
歯科を除いた医師であれば、どの科の医師でもかまいません。

鍼灸の施術を受ける際には、あらかじめ医師の同意書(または診断書)を用意しておき、初回時に鍼灸院に提出が必要です。
また、長期にわたって鍼灸の施術を受ける場合、6カ月ごとに医師の同意書が必要です。

要件3:医療機関との併用は認められません。

鍼灸の施術を受ける傷病に対して、医療機関を同時に受けることはできません。
たとえば、病院(クリニック)で湿布や痛み止めなどを処方してもらった場合、鍼灸は健康保険の対象ではなくなるため、注意が必要です。

要件4:すべての鍼灸院が健康保険の取り扱いがあるとは限らない

要件1のように、健康保険の適応疾患は6傷病に限られること、要件2のように、医師の同意書が必要であることなど、保険適応にはさまざまな要件があり、そして、何よりも保険請求のための事務処理に時間がとられるという現実があるため、そもそも保険取り扱いがある鍼灸院と、保険取り扱いのない鍼灸院が存在しています。

また、平成31年1月1日から、鍼灸院などが受領委任による保険請求を行うためには、地方厚生(支)局への届け出が必要となったため、届け出をしていないと保険を取り扱えなくなりました。

さらに、近年鍼灸の取り扱う分野は広くなっており、保険適応6傷病以外の疾患や症状に対する鍼灸治療を得意として専門性をうたっている鍼灸院では、保険の取り扱いが不要なのです。

もし健康保険で鍼灸を利用しようと思っている場合には、保険の取り扱いがある鍼灸院かどうか、事前に確認が必要です。

療養費の保険請求の種類

療養費を保険請求することを療養費支給申請と言いますが、請求方法には、以下の2つの方法があります。

  1. 償還払い
  2. 受領委任払い

償還払い

償還払いとは、患者様が療養費の全額を一旦鍼灸院に支払い、自己負担額を除いた療養費を保険者に直接請求する方法です。
療養費を立て替える経済的負担や、患者様自身が慣れない手続きを行う負担などの問題があります。

受領委任払い

受領委任払いとは、自己負担分(1割~3割)のみを患者様は鍼灸院に支払い、残りの療養費は鍼灸院が患者様に代わって療養費の請求を保険者に行う方法です。
この方法は、厚生労働省の通達により、平成31年1月1日から正式に導入されました。
導入以前からも保険者ごとの判断で行われていましたが、現在は共通の取り扱いとして制度化しています。
ただし、受領委任の取扱いを希望する鍼灸院は、地方厚生(支)局への申請が必要となり、申請を行っていない鍼灸院では、療養費の請求は行えません。

健康保険以外の
保険適応について

健康保険以外の任意加入の傷害保険、自動車保険などの保険でも鍼灸の施術代金が保険金で補填されることがあります。
保険の種類、保険会社の規約などによって、適否がかわりますので、詳細は保険会社様にお問合せください。

鍼灸が適応となった場合は、アキュモード鍼灸院にご連絡ください。
アキュモード鍼灸院では、医療保険の取り扱いはありませんが、任意加入の各種保険会社様との交渉、書類提出など実績がございますので、お気軽にご相談ください。