コロナ後遺症の鍼灸治療/COVID-19罹患後症状に対して

コロナ後遺症の鍼灸治療/COVID-19罹患後症状に対して2023-08-14T14:58:07+09:00

コロナ後遺症の鍼灸治療

コロナ後遺症による様々な症状に対応した鍼灸治療を行っています。

鍼治療

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した患者様の一部に、いわゆるコロナ後遺症で苦しんでいる方がおられることが大きな問題であり、新しい課題となっています。
症状は倦怠感、頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・味覚障害など多岐にわたる症状ですが、発症原因がわかっていないため、西洋医学での対応は鎮痛薬や抗不安薬、睡眠薬の服用などに限定されており、根本的な治療につながっていないことが現状です。

感染する前の生活に徐々に戻していくことが症状改善へとつながると考えられていますが、全身のバランス調整を行う鍼灸施術は、回復促進効果が期待されています。

コロナ後遺症でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。

コロナ後遺症は多岐にわたる症状

次のようなコロナ後遺症の症状でお困りではありませんか。

疲労感・倦怠感
ブレインフォグ:思考力の低下、ぼんやりする状態が続く
気分の落ち込み
頭痛
不眠

動悸・息苦しさ 
関節痛・筋肉痛
食欲不振・吐き気・嘔吐
味覚・嗅覚障害
脱毛 など

コロナ後遺症

コロナ後遺症とは

WHOは、コロナ後遺症について次のように説明しています。(日本国内での定義はいまだ定まっていません)

新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明のつかないものである。
通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。
症状には疲労感・倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などがあり、日常生活に影響することもある。
COVID-19の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状がある。
また、症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもある。小児には別の定義が当てはまると考えられる。

●「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊 罹患後症状のマネジメント(第 2.0 版)」より引用。

海外の報告によると、感染後2ヶ月、あるいは、退院後1ヶ月を経過した患者のうち、72.5%の者が何らかの症状を有することが明らかになりました。
また、別の報告では、感染後、あるいは、退院後6ヶ月以上経過した患者のうち、何らかの症状を有する者が54%いると報告されています。

コロナ後遺症を発症するタイミングについては、全体の91%がコロナ発症後から10日以内と言われています。
しかし稀に感染症の症状が落ち着いた後、1~2カ月経って後遺症の症状が出たという方もいるようです。

また、現状において後遺症の寛解は難しいと医療現場では考えられています。
後遺症を発症した人のうち、一年以内に寛解する人は全体のわずか15%とされ、残りは一年が経過しても症状が続き「完治」が難しい病気と考えられているようです。
しかし、コロナの流行からまだ数年しか経過していないため、その全体像は分かっていません。

コロナ後遺症

コロナ後遺症治療に
鍼灸という選択肢

コロナ後遺症の治療は、残念ながら、現在の医療現場(西洋医学)では難しいと考えられています。
それは、感染後数日たって、PCR検査が陰性となり、血液検査や尿検査において異常所見がなくなった場合、コロナ感染症という病気は治っている状態であると判断されます。
この時点で何かしらの症状が残っていたり、新しく症状が生じてきたとしても、西洋医学では検査項目上陰性であれば症状の原因が判断できないため、根本的な治療法はなく、お困りの症状を抑える薬、例えば、鎮痛薬や抗不安薬、睡眠薬などが処方される対処療法となります。

東洋医学の鍼灸治療

一方の東洋医学では、血液検査などが行えない代わりに、脈診、腹診などといった東洋医学独特の診断方法を用いて、身体全体の体質や現在の体調を診て、病態把握を行い、鍼灸施術へと結び付けていきます。
ですから、西洋医学の病名がある/なしや、血液検査などに異常所見がある/なし にかかわらず、体調改善への施術を行うことが可能です。

一部クリニックでは、コロナ後遺症に対して漢方治療が行われ、成果が出てきているようですが、鍼灸も漢方治療と同じ東洋医学で考え方は一緒であり、同様の効果が期待できます。

東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」や「治未病(みびょうち)」という考え方があります。
精神と肉体は切り離して考えることはできずつながっていて、精神の不調が肉体の症状に影響を及ぼしたり、逆に肉体の症状が精神の不調を招くこともあります。
症状を細分化して着目するのではなく、心身を総合的=ホリスティックに一人の人間として全体をとらえていくことが大切であると考えています。

ですから、仮に、病気発生のメカニズム、機序といった、西洋医学的な側面での原因が分からなくとも、東洋医学では、症状があれば、どのような「体質」で、どのような「病態」がおきているのかさえ把握できれば、治療を施すことができるという利点があります。

したがって、現代医学では原因不明であっても、東洋医学ではコロナ後遺症の諸症状に対応することができるのです。

「目の前の患者様が漠然と訴えている不調をいかに捉えるか」ということが東洋医学の神髄です。
当院では、東洋医学で人間の内臓にあたる五臓六腑を陰陽五行論といった東洋医学の基本哲学で捉えた総合人体観と、脈診・舌診・腹診などの独特な診断によって患者個体が抱える体のバランス不全を見極め、お困りのコロナ後遺症の症状に一つひとつ対応致してまいります。
お困りの方は一度、当院へご相談下さい。

東洋医学の考え

※註:「治未病(みびょうち)」について
「治未病」とは、「未だ病まざるを治す」であり、病気が発症する手前に起こる体内のバランス不良の段階で治療をはじめ、病気の発症を予防していく、という東洋医学の考え方です。
この考え方に則った鍼灸治療は、普段感じている何かしらの不定愁訴は、大きな疾病を引き起こす予兆であるという考えのもと、病気の発症を未然に防止し、健康を維持することを目的として行います。
病気の発症をその予兆によって知り予防するとともに、いったん発症した場合であっても重篤にならないよう早期にそして適切に処置することが肝要であり、これによって疾病の他の臓器への拡散・転移、疾病の悪循環防止が期待できるとされます。
●東洋療法学校協会編『新版東洋医学概論』(医道の日本社、2015年)を参照。

コロナ後遺症に対する
鍼灸治療の概要

コロナ感染症が回復後したにもかかわらず、コロナ後遺症と呼ばれる様々な症状でお悩みの方が増えてきています。
病院を受診しても症状の明確な原因が特定できず、対症療法を行うのみとなり、思うように改善しないケースも多くなっています。

そこで、当院では、東洋医学の考え方にのっとり、お身体全体の状態を拝見し、下記のポイントを抑えて施術を行って参ります。

  • 東洋医学的な側面から、お身体のバランスを整える
  • 自律神経を整える
  • 免疫力や自然治癒力を鼓舞し、高めていく

コロナ後遺症に対する
鍼灸治療の臨床例

東洋医学では、体の生理物質「気」「血」「水/津液」の過不足によるアンバランスを、次のような病理に分類して病態を把握していきます。

鍼灸治療の基礎となる気血津液の考え方

さらに、そのような生理物質の状態が、五臓(肝・心・脾・肺・腎)にどのように関わって体のバランス不全を引き起こしているのかも考えます。
生理物質が過剰に溜まっているような場合〔実(じつ)という〕には「瀉法(しゃほう:余分なものを排除する)」の施術をを行い、反対に不足している場合〔虚(きょ)という〕は「補法(ほほう:補う)」の施術を行い、気血の流れを整えていくことで、本来の体の調子を取り戻すというのが東洋医学の基本的な考え方です。

コロナ後遺症患者に多くみられる症状として、倦怠感とブレインフォグを挙げることができます。
倦怠感は、「気虚(ききょ):気の不足や機能不全」として考えていくことが一般的です。
気虚の治療は、「気海(きかい)」などといった「気」の名前の付くツボや、気の集まるツボとして「膻中(だんちゅう)」などのツボに鍼やお灸をして気を補います。
また、ブレインフォグは「血虚(けっきょ):血の不足や機能不全」として考えられるため、血を補うツボとして「血海(けっかい)」などといった「血」の名前の付くツボや、血の集まるツボとして「膈兪(かくゆ)」などのツボに鍼やお灸をして血を補います。

鍼灸治療

これらの施術は、東洋医学的側面での根本的な身体の不調の改善を促す施術です。
いわば、コロナ後遺症が起きてしまった体質を改善していく施術、身体の自然治癒力を鼓舞する施術、免疫力を高める施術です。

これにプラスしてさらに、倦怠感やブレインフォグといったお困りの症状に対して、直接的に症状改善にはたらくツボを選び、鍼治療や灸治療をして症状緩和をはかるダブルの施術を行っていきます。

また、同じ症状を訴えても、患者様お一人おひとり違いますので、施術を行う際には、必ず脈診や腹診など行わせていただき、患者様それぞれのお身体の病態把握を行い、お身体の状態に則したツボの選定、鍼や灸の施術刺激量を調整した施術を行っていき、一日も早い回復を促していきます。

鍼灸治療の流れ

鍼灸治療の流れにつきましては、以下のページをご参照ください。
「鍼灸治療の流れ」のページ

施術をお受けいただいた
患者様のご感想

倦怠感がなくなってきました(S.T様 50代)

コロナが陰性になって、大事に至らず、良かったと思っていたのですが、いつまでも倦怠感が続いていました。
病み上がりだから仕方ないと思っていましたが、それだけではなさそうだと思っても、休養をとっていたためにおきたフレイルなのか、更年期の症状なのか、訳が分からず、病院に行くにしてもどの科に行って良いのか、時間ばかりが過ぎてしまい、体がいうことをきかず、辛かった時もあります。
鍼灸が良いかもよ、と友人の勧めもあり、通っている間に、何とも言えない倦怠感が薄らいできて、体がようやく自分の体のように回復してきました。

これからもよろしくお願いいたします。

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頭に霧がかかったようなボーっとした日が続いていました(M.I様 40代)

コロナにかかってしまい、頭に霧がかかったようなボーっとした症状で集中力がまったくなくなり、記憶力も明らかに低下してしまいました。
私は国家試験を控えた専門学校生で、勉強をして覚えなければならないことがたくさんあるので、とても焦ってしまいましたが、鍼灸を何回か受けているうちに、頭の霧が晴れてきた感じがあり、少しずつ集中力、記憶力が復活してきて、ホッとしています。
これからのインフルエンザ対策として、免疫力アップをめざしたいので、しばらく鍼灸を続けていきたいと思います。
ひきつづき、よろしくお願いいたします。

「コロナ後遺症」に
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