「手足の関節の痛み」、「節々の痛み(ふしぶしの痛み)」は、厚生労働省が発表するデータによると、女性の自覚症状の中で、毎年第3位にランクインしていることをご存知でしょうか。
日本人の国民病と言うことができる代表的な症状の1つとなっています。

この関節の痛みはさまざまな原因で起こりますが、一般的には、痛みの原因は次の2つに分類することができます。

  • 筋肉の使い過ぎによる関節の痛み
  • 年齢とともにおこる関節の痛み
肩こりは女性の訴える症状第1位

「関節」とは、骨と骨をつなぐ部分で、滑らかな軟骨で覆われていて、衝撃を緩和させています。
しかし、加齢によって軟骨がすり減ってしまったり、筋力の低下が起こると、滑らかな関節運動ができなくなってしまい、軟骨や骨に変形が生じたり、関節周辺に炎症が起こり、「痛み」が生じます。
特に、体重がかかる下半身(=脚)の関節は、脚の筋肉によって支えられているため、筋力の低下は、関節の負荷を増やすことになり、痛みの原因となります。
ある調査によると、70歳代以上の約50%の方が、膝関節に何らかの障害を抱えているとの結果が出ています。

 

節々の痛み、関節の痛み

スポーツなどで、特定の動きをを繰り返していると、その動きで使う筋肉が緊張して硬くなってしまいます。
筋肉は、骨に付着しているため、筋肉の緊張は、骨に負担をかけ、関節に痛みを引き起こす原因となります。

例えば…

  • ゴルフ肘(バックハンドテニス肘)・・・正式名称:上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)
    手のひらを上に向けて伸ばしたとき、肘の外側が痛くなる。
  • テニス肘・・・正式名称:上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)
    手のひらを上に向けて伸ばしたとき、肘の内側が痛くなる。
  • ランナー膝・・・正式名称:腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
    ランニング中、または走り終えた後、膝周りを押してみると、膝の外側が痛くなる。
    ※曲げた膝を伸ばす動作の繰り返しによって、膝の外側の骨と靭帯がこすれて摩擦が生じ、炎症化するスポーツ障害なので、ランニングだけでなく、ハイキングや登山などでも起こります。
  • 足の裏やカカトの痛み・・・正式名称:足底筋膜炎症または足底腱膜炎
    ランニング動作などの繰り返しで、着地、または蹴り出し時に足裏やカカトが痛くなる。
    特に、朝起きた時の、第一歩が痛いことがあります。

 

年齢とともにおこる
関節の痛み

残念ながら、節々の痛みは、年齢と共に起こることが少なくありません。
年齢とともに、思い当たる原因が特にないままに、気づけば痛くなっていることがあります。
首や肩の痛み、腰痛、四十肩・五十肩などは、その代表的な症状かもしれません。
若い時には全く感じなかった痛み、それほど辛くなかった痛みが、年齢と共に辛く感じます。

例えば…

  • 手の痛み・・・女性の場合、家事をすることで、手の痛みを感じやすいです。 指のふしぶしの痛み、手首の痛み、肘の痛みなど。
  • 足の痛み・・・外反母趾、内反小趾は、足の筋力の低下と、足に合っていない靴を履くことで起こりがちですが、痛みと変形の悪循環がおこってしまいます。
  • 古傷の再発・・・過去に痛めた膝や足首の捻挫などが、筋力の低下などによって、古傷として症状がでてくることがあります。
  • 膝関節の痛み・・・大腿部の筋力の低下によって、膝関節に痛みと変形が起こりがちです。

 

多くの場合、鍼灸治療で局所を刺激し、筋肉のコンディションを整えることで、痛みを緩和することができます。
是非、鍼灸治療をお試しください。

もちろん、
関節の痛みの原因には、スポーツによる筋肉の使いすぎや外傷、年齢に伴う筋力の低下だけでなく、慢性関節リウマチ、痛風などの病気や、細菌感染など、必ず病院で治療を受けなければならないケースもあります。
特に、赤く腫れて熱感があるような場合、徐々に痛みが増すような場合には、医療機関への受診をおすすめいたします。
迷われた場合には、お気軽にご相談ください。

刺鍼