更年期障害において、吐き気を感じる方は多くいらっしゃいます。この吐き気は、身体のホルモンバランスの変化により引き起こされるものと考えられています。ホルモンバランスの問題によって起きているのであれば、深刻に心配する必要はありません。

吐き気を和らげるためには、セルフケアも大変重要で、日常生活に取り入れやすい方法として、ツボ押しがあります。
吐き気を和らげる効果が期待できるツボを適度に刺激することで、症状を緩和することができます。

例えば、内関というツボは、吐き気を軽減するツボとしてとても有名です。このツボをやさしく指で押すなど刺激すると、吐き気止めと同時にリラックス効果を得ることができます。

吐き気

更年期障害は、女性にとって非常に大きな変化をもたらします。特に、ホルモンバランスが崩れることで、さまざまな身体的な不調が現れます。中でも吐き気は、非常に不快な症状の1つと言えます。

吐き気は、ホルモンの変化だけでなく、ストレスや不安感からも引き起こされることがあります。そのため、更年期障害に伴う吐き気を軽減するためには、心身のリラックスが重要です。鍼灸療法は、このような症状に対して大変効果的です。

私たちの鍼灸院では、おひとりごとに適した施術を行い、快適な毎日を取り戻すサポートをいたします。

更年期障害とは

更年期障害とは、主に女性が40代半ばから50代半ばにかけて経験する身体的、精神的な不調の総称です。この時期、卵巣の機能が低下し、エストロゲンなどのホルモンの分泌が減少します。ホルモンバランスの変化に伴って自律神経も乱れ、さまざまな症状が現れることがあります。

例えば、ホットフラッシュや不眠、そして吐き気などがあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたすこともあります。そのため、早めの対策が重要です。特に鍼灸療法は、ホルモンバランスを整え、心身の負担を軽減するために非常に効果的です。ぜひ、適切なサポートを受けて、快適な毎日を取り戻しましょう。

吐き気の原因

吐き気や嘔吐は、脳の嘔吐中枢が刺激されると起こります。
体にとって害になるものを飲み食いしてしまった時などに、それらを吐き出すためにおきる防衛反応です。

ホルモンバランスの変化は自律神経を乱します。自律神経は消化器の働きを調整しているため、自律神経の乱れは消化器の不調をおこします。
食べ物を食べて消化ができるのは、自律神経の副交感神経(リラックスモード)の働きによりますが、ストレスや不安感、日常生活におけるプレッシャーや心配事があると、身体に緊張をもたらし、交感神経が働いている状態(戦闘モード)になります。

戦闘モードd交感神経が働いている時に食事をしてしまうと、戦闘モードだから消化している場合ではない、いつでもすぐに戦闘できるようにと、嘔吐中枢が刺激されて、吐き気、嘔吐をおこすことになります。

このように自律神経の乱れが関与して吐き気は起きるので、症状を和らげるためには、心身のケアが不可欠です。鍼灸を通じてリラックスすることで、症状の軽減が期待できます。

吐き気に効くツボの紹介

吐き気に効くツボについて紹介いたします。

●内関(ないかん)
●足三里(あしさんり)
●裏内庭(うらないてい)

  • 内関は手首、足三里は膝下、裏内庭は足の裏にあるツボです。吐き気止めのツボとして最も有名なものは、内関です。乗り物酔い、妊娠初期のつわりなど、幅広い場面での吐き気止めに利用されています。吐き気を和らげるだけでなく、気分をリフレッシュする効果も期待できます。
  • 足三里は、消化器の働きを幅広く調整する働きがあります。胃腸が弱っているような時に起きる吐き気におすすめです。
  • 裏内庭は、消化器の急性症状におすすめのツボです。足の裏なので、自宅でのケアにご利用ください。

これらのツボを指で押したり、温めたりするだけで、症状が楽になり、生活の質が向上するかもしれませんので、ぜひお試しください。鍼灸院での専門的なアプローチもおすすめいたします。

 

内関(ないかん)

内関は、手首の内側にあります。手首の横ジワから指3本分真上に肘側に上がったところにあります。

内関は吐き気、嘔吐を抑える特効ツボと言われています。また、安心作用といって、ストレスや不安感がある時に精神状態を安定させる作用もあるので、更年期の不調にとても効果的です。

吐き気を催したらすぐにこのツボを押すのも良いのですが、吐き気を感じやすい方は、吐き気を催す前からこのツボにビーズや米粒、ゴマなどを絆創膏で固定し、持続的にツボ刺激を行うこともおすすめです。

ツボを押す場合は、指の腹を使い、ゆっくりと押してください。押したまま数回深呼吸を行ってみてください。

ツボ(内関)

足三里(あしさんり)

足三里は、膝の下でやや外側にあります。膝のお皿の下縁から指4本下で、スネの骨の外側にある筋肉の中央であります。

胃腸の症状には足三里と言われるほど、消化器系の働きを助ける健胃効果があり、吐き気や腹部の不快感を軽減することが期待できます。

吐き気を催した時にツボを押すと、吐き気が嘔吐に変化するのを止めて、胃の内容物を腸へ下げてくれます。

できれば、このツボは、定期的にお灸をすえておくと、症状予防とともに、体全体の調子を整えていくことが期待できます。

ツボ(足三里)

裏内庭(うらないてい)

足の第二趾(人差し趾)を足底の方に折り曲げて、趾先が当たったところにある足裏のツボです。消化器の働きを整える作用があり、胃腸の不調に効果が期待でき、吐き気、嘔吐の他、下痢、便秘、などにも効果が期待できます。

このツボは、症状がある時にお灸がおすすめです。
ツボ押しをする場合は、足底にあるので刺激が伝わりにくいので、少しだけ強めに押してください。ただし、痛みを感じるくらい強いのは逆効果です。痛みを感じる手前の少し痛いけど気持ちがいいと思う程度の強さで、数秒間持続的に押すと効果的です。

ツボ(裏内庭)

ツボ押しの具体的な方法

ツボ押しは、自宅で簡単にできるセルフケアの1つです。以下に具体的なツボ押しの手順をご紹介します。

はじめにツボの位置を確認します。

ツボを押す前に、手の平でやさしく擦ってからツボ押しをしてください。

ツボ押しが終わったら、再度手の平で優しく擦ってください。

身体の日々の変化に耳を傾けながら、無理のない範囲で行うことがポイントです。セルフケアを実践しながら、専門の鍼灸院での鍼灸施術も併用してみてください。鍼灸を受ける時間を持つことは、心身のバランスを保つ手助けにつながります。

ツボの正確な位置を知る

はじめのうちは、自分が見つけたツボは果たして正しい位置なのか、心配に思われるかもしれません。しかし、指でツボを押す場合、親指の腹分の範囲にツボがあれば良いので、それほど厳密な位置である必要はありません。(厳密な位置を知りたい場合は、ぜひ当院にご相談ください。)

ツボは体の凹んだところ、骨と骨の間であったり、筋肉と筋肉の境目などにあります。だいたいの位置が分かったら、その辺りを数ヵ所押してみて、一番ズーンと感じたり、他と違う感覚がある場所をツボだと思ってください。

ツボの押し方

ツボ押しは、基本的には親指の指の腹を使い、気持ちい、もしくは、少し痛いけど気持ちがいいと思う程度の力加減で押しましょう。
1-2-3-4-5のリズムでゆっくり押していき、1-2-3-4-5のリズムでゆっくりと力を抜いていきましょう。慣れてきたら、押す時に息を吐き、力を抜く時に息を吸ってください。

5回位押すことを1日3回、症状が辛い時はその都度押してみてください。

押すことで、血行が良くなり、緊張がほぐれてリラックスできてくると思います。
毎日少しずつでも継続していくことで、体に良い変化が期待できます。

ツボ押しのタイミング

ツボ押しは、吐き気を感じたときや、ストレスが溜まっていると感じた時に行う他に、はじめのうちは1日3回程度、時間を決めて行うようにしてください。特に、就寝前のリラックスタイムに行うのがおすすめです。気持ちが安定し、より効果的にホルモンバランスを整えてくれるでしょう。

ただし、空腹時や食後、お風呂上りは避けて行ってください。
体が温まっている時の方がより効果的なので、体が冷えているような場合には、温めてから行っていただくことをおすすめします。簡単に温める方法としては、ドライヤーがおすすめです。

自分の身体の状態に合わせて、少しずつツボ押しを生活に取り入れてみてください。習慣化することで、心身ともに安定した日常を送る手助けになるはずです。

その他のセルフケア方法

更年期障害による吐き気を軽減するためのセルフケア方法は、ツボ押し以外にもたくさんあります。

十分な水分補給、こまめに水を飲むことは、体内のバランスを整え、吐き気の緩和につながります。

栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。消化の良い食材を選ぶことが、体調を整える助けになります。生姜や梅干しなど、さっぱりとした味のものが特におすすめです。

趣味や軽い運動など、ストレスを緩和し、リラックスできる時間を設けることも重要です。

その他の方法もありますが、できることから少しずつ実践することで、日常生活をより快適に過ごせるでしょう。

吐き気が続く場合の対処法

吐き気が続く場合は無理をせず、身体を休めることが大切です。リラックスできる環境、風通しの良い場所、静かな場所で深呼吸をしてみると、気分が落ち着くことがあります。

また、適度な水分補給も重要です。温かい飲み物をゆっくりと飲むことで、胃の不快感が軽減されることがあります。

こうした対処法を試しつつ、もし症状が続くようであれば、病院への受診が必要かもしれません。

医療機関の受診

セルフケアを行っても吐き気が長引いたり、嘔吐を繰り返すような場合、自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめいたします。

更年期に起きる吐き気はホルモンの変化、自律神経の乱れによって引き起こされることが多いのですが、他の病気の可能性も否定できません。

不安な気持ちで過ごすより、婦人科への受診と適切な治療、そして医師からのアドバイスを受けることで、安心して生活することができるようになると思います。

鍼灸院への相談

病院に行くほどではないが、吐き気が続き、自己対処だけでは限界があるような場合には、鍼灸院で鍼灸施術を受けることをおすすめします。

鍼灸施術では、吐き気をはじめとした更年期の症状に幅広く対応が可能です。
女性専用の当院では更年期の症状を得意としています。個室対応でお一人お一人を大切に、お体に合わせた施術プランをご提案し、アプローチさせていただきます。

吐き気を抑えるケアをし、心身ともに軽やかにお過ごしいただけるよう、全力でサポートいたします。
病院での治療を受けていても併用することで、より効果的に症状を改善することもできます。

お一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

まとめ

更年期障害による吐き気は、日々の生活の質を低下させていくだけでなく、他の更年期症状に悪影響を与え、負のスバイラルにつなががることも少なくありません。

しかし、適切な対処を行うことで、軽減することができます。
ツボ押しや鍼灸院の利用が、その1つの方法です。
内関というツボは吐き気を和らげる効果が期待できる最も有名なツボです。
手首にあるツボなので、いつでもどこでも簡単にツボ押しをすることができます。
ぜひおためしください。

もしそれでも症状が改善しなければ、病院への受診、そして、当院にご相談下さい。
当院は女性専門鍼灸院で、更年期症状に対する鍼灸を得意としています。症状と体質に合わせてオーダーメイドの施術を提供しております。
より快適な生活を取り戻すための第一歩を、是非私たちと一緒に踏み出してみませんか。