更年期は、心身にさまざまな不調が現れます。吐き気がして食欲がわかない、頭痛やめまいと一緒に吐き気がする、胃がムカムカして気持ちが悪いなど感じたことはありませんか?

風邪などではない、更年期に起こる吐き気について効果的なツボや対処法をご紹介します。

吐き気

更年期に起こる吐き気は、主に「ホルモンバランスの変化」と「自律神経の乱れ」が原因です。女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、自律神経が不安定になり、これが胃や腸の働きに影響を与えます。

その結果、消化不良や胃の不快感、吐き気が起こりやすくなります。また、ホルモンバランスの変動や自律神経の乱れは、ストレスや情緒不安定を引き起こし、それがさらに吐き気を悪化させる要因となります。

吐き気に効果的なツボ

吐き気に効くツボをご紹介します。

ツボを指で押したり、温めたりするだけで、症状が楽になり、生活の質の向上が期待できます。ぜひお試しください。

内関(ないかん)

内関は、手首の内側にあります。手首の横ジワから指3本分真上に肘側に上がったところにあります。

内関は吐き気、嘔吐を抑える特効ツボと言われています。また、安心作用といって、ストレスや不安感がある時に精神状態を安定させる作用もあるので、更年期の不調にとても効果的です。

吐き気を催したらすぐにこのツボを押すのも良いのですが、吐き気を感じやすい方は、吐き気を催す前からこのツボにビーズや米粒、ゴマなどを絆創膏で固定し、持続的にツボ刺激を行うこともおすすめです。

ツボを押す場合は、指の腹を使い、ゆっくりと押してください。押したまま数回深呼吸を行ってみてください。

ツボ(内関)

足三里(あしさんり)

足三里は、膝の下でやや外側にあります。膝のお皿の下縁から指4本下で、スネの骨の外側にある筋肉の中央であります。

胃腸の症状には足三里と言われるほど、消化器系の働きを助ける健胃効果があり、吐き気や腹部の不快感を軽減することが期待できます。

吐き気を催した時にツボを押すと、吐き気が嘔吐に変化するのを止めて、胃の内容物を腸へ下げてくれます。

できれば、このツボは、定期的にお灸をすえておくと、症状予防とともに、体全体の調子を整えていくことが期待できます。

ツボ(足三里)

裏内庭(うらないてい)

足の第二趾(人差し趾)を足底の方に折り曲げて、趾先が当たったところにある足裏のツボです。消化器の働きを整える作用があり、胃腸の不調に効果が期待でき、吐き気、嘔吐の他、下痢、便秘、などにも効果が期待できます。

このツボは、症状がある時にお灸がおすすめです。
ツボ押しをする場合は、足底にあるので刺激が伝わりにくいので、少しだけ強めに押してください。ただし、痛みを感じるくらい強いのは逆効果です。痛みを感じる手前の少し痛いけど気持ちがいいと思う程度の強さで、数秒間持続的に押すと効果的です。

ツボ(裏内庭)

ツボ押しの具体的な方法

ツボ押しは、自宅で簡単にできるセルフケアの1つです。以下に具体的なツボ押しの手順をご紹介します。

身体の日々の変化に耳を傾けながら、無理のない範囲で行うことがポイントです。

ツボの正確な位置を知る

はじめのうちは、自分が見つけたツボは果たして正しい位置なのか、心配に思われるかもしれません。しかし、指でツボを押す場合、親指の腹分の範囲にツボがあれば良いので、それほど厳密な位置である必要はありません。(厳密な位置を知りたい場合は、ぜひ当院にご相談ください。)

ツボは体の凹んだところ、骨と骨の間であったり、筋肉と筋肉の境目などにあります。だいたいの位置が分かったら、その辺りを数ヵ所押してみて、一番ズーンと感じたり、他と違う感覚がある場所をツボだと思ってください。

ツボの効果的な押し方

ツボ押しは、基本的には親指の指の腹を使い、気持ちい、もしくは、少し痛いけど気持ちがいいと思う程度の力加減で押しましょう。
1-2-3-4-5のリズムでゆっくり押していき、1-2-3-4-5のリズムでゆっくりと力を抜いていきましょう。慣れてきたら、押す時に息を吐き、力を抜く時に息を吸ってください。

5回位押すことを1日3回、症状が辛い時はその都度押してみてください。

押すことで、血行が良くなり、緊張がほぐれてリラックスできてくると思います。
毎日少しずつでも継続していくことで、体に良い変化が期待できます。

ツボ押しのタイミング

ツボ押しは、吐き気を感じたときや、ストレスが溜まっていると感じた時に行う他に、はじめのうちは1日3回程度、時間を決めて行うようにしてください。特に、就寝前のリラックスタイムに行うのがおすすめです。気持ちが安定し、より効果的にホルモンバランスを整えてくれるでしょう。

ただし、空腹時や食後、お風呂上りは避けて行ってください。
体が温まっている時の方がより効果的なので、体が冷えているような場合には、温めてから行っていただくことをおすすめします。簡単に温める方法としては、ドライヤーがおすすめです。

自分の身体の状態に合わせて、少しずつツボ押しを生活に取り入れてみてください。習慣化することで、心身ともに安定した日常を送る手助けになるはずです。

ツボ押し以外の対処法

更年期障害による吐き気を軽減するためには、ツボ押し以外にもさまざまなセルフケア方法があります。

まず、十分な水分補給を心がけ、こまめに水を飲むことで体内のバランスを整え、吐き気を緩和できます。栄養バランスの取れた食事を摂り、特に消化に良い生姜や梅干しなどさっぱりとした食材を選ぶのも効果的です。

さらに、趣味や軽い運動などでストレスを緩和し、リラックスする時間を持つことも重要です。吐き気が続く場合は無理をせず、風通しの良い静かな場所で深呼吸し、温かい飲み物をゆっくり飲むことで、気分が落ち着くことがあります。

少しずつできることを実践し、日常生活を快適に過ごしましょう。

まとめ

更年期に起こる吐き気は、多くの女性が悩む症状の一つです。ツボ押しは、この不快な感覚を和らげるために効果的な方法です。
ツボを優しく押すことで、リラックス効果も得られるため、日常的に取り入れてみると良いでしょう。

ツボ押しのほかにも、食事内容の改善や軽い運動を取り入れるなど生活習慣の見直しも効果的です。
自分に合った方法で症状を緩和し、快適な日常を取り戻す手助けとなれば幸いです。

なかなか症状が改善しない場合は、一度アキュモード鍼灸院にご相談ください。
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