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血の道症(ちのみちしょう)という言葉をご存知でしょうか。

私が初潮を迎え、生理痛で「お腹が痛い~」 とカラダを丸め、お腹をさすっているような時、決まって祖母や母から「血の道症なのね…」と、ナゾめいた言葉を、しかも意外とよく聞かされていました。

「何のことだろう…」と思いながらも、雰囲気で「生理痛のことかな?」と、あまり気にも留めていませんでしたが、ある時友人に「血の道症」という言葉を使ったところ、「何、それ?」とチンプンカンプンであったため、はじめて、特殊な言葉なんだ…と、認識しました。
古い言葉なのか…?
特殊な言葉なのか…?

ところが、以前「血の道症」という言葉を使ったブログをアップしたことがありましたが、管理画面を見ていたところ、思いの外「血の道症」という言葉で検索される方が多いことを知り、驚いています。

今回は、「血の道症」とは、どんな病気、症状なのか、そして、お役立ち情報として、症状緩和に効果的なツボの紹介をさせていただきます。

血の道症とは

血の道症とは、”血?血液?に関係する症状?” と考えると、”女性の生理に関係する症状なのかな?” と想像されると思います。

血の道症は、簡単に言うと、「女性ホルモンの変動に伴って起こる症状」をいいます。
言うなれば、「婦人科系のトラブル全般のこと」と言い換えることができると思います。

つまり、毎月の生理、妊娠、出産、更年期などに関わる、肉体的、精神的なあらゆる症状のことをさすので、以下のような幅広い症状が該当します。

  • 生理に関わる症状:生理不順、生理痛、生理前困難症(PMS)、月経困難症、過多月経など
  • 妊活・妊娠・出産に関わる症状:不妊、つわり、お腹のはり、産褥熱、産後の肥立ちのトラブルなど
  • 更年期に関する症状:のぼせ、ホットフラッシュ、多汗、倦怠感、疲労感、めまい、耳鳴り・耳閉感、頻尿、口の渇き、節々の痛み、睡眠障害など
  • 生理や更年期に伴う症状:冷え、むくみ、頭痛・頭重感、首肩こり、腰痛、胃腸症状(下痢・便秘)、吐き気など
  • 精神面の変動:不安、イライラ、抑うつ的、感情の起伏など

例えば、
「生理痛」という1つの症状を取り上げてみます。
女性の約8割が多かれ少なかれ 不快な「生理痛」に悩まされており、「生理痛が殆どない」という女性は、ごくごく少数派だというデータがあります。
しかし、生理は毎月のことなので、よっぽどの症状がない限り後回しにされがちで、症状を持ちながら生活しているのが現状かもしれません。

“血の道症”という言葉は、日本独自の言葉

血の道症」という言葉は、日本独自の言葉です。
江戸時代に発展した日本独自の漢方:和漢(わかん)の世界で使われていた 「血の道(ちのみち)」という言葉に、医師の九嶋氏による研究と解釈が加わり、 昭和の時代に「血の道症」という言葉が作られたようです。

鍼灸師が使う、いわゆる東洋医学用語ではありません。
歴史的にはまだ浅い日本製の言葉ではありますが、和漢も元々は東洋医学から派生したものです。
江戸時代まで、日本の医学は東洋医学をベースにしたものでした。
明治になると、明治新政府による近代化政策の中で、医学は西洋医学の1本化が行われ、ドイツ式の現代医学が取り入れられました。

つまり、「血の道症」は、根底には東洋医学の考え方があり、現代医学的な知識がプラスされた折衷的な概念の言葉です。

東洋医学の側面

“血の道症”の「血(ち)」とは、何でしょう…

「血」がつく言葉は、西洋医学には「血液」がありますが、東洋医学には「血(けつ)」と読む物質があります。
西洋医学の「血液」については既知の通りですが、東洋医学の「血(けつ)」とは、体の中をめぐる赤い液体であり、食べ物から得られる栄養を意味しています。
西洋医学であれ、東洋医学であれ、カラダが健康的に機能するためには不可欠の物質であり、カラダの中を滞りなく循環している必要があります。

東洋医学では、「血(けつ)」がカラダの中をめぐるためには、「気(き)」(≒エネルギー) という物質が、過不足なくカラダの中を巡っていなければならないと考えています。
つまり、東洋医学的な側面から考えると、血の道症の改善には、血(けつ)と気(き)という物質がポイントとなるわけです。

また、東洋医学では、女性の機能には、腎(じん)・肝(かん)・脾(ひ)という3つの臓腑が関係していると考えています。
臓腑とは、西洋医学の内臓にあたるものですが、東洋医学では単なる内臓としての機能の他に、精神面と深い関わりがあると考えています。
主な働きは次の通りです。

  • 「腎(じん)」とは、 単なる泌尿器だけの働きだけではなく、カラダの水分代謝をコントロールする働きがあります。
    また、親から受け継ぐ生命力や活力、体質などとも関係が深く、生殖能力や、カラダを温めなど、人間の根本的な働きをコントロールしています。
  • 「肝(かん)」とは、内臓の肝臓の働きとは全く違い、カラダの中の血の量を調整しています。
    血を必要とするカラダの箇所に、必要な量が十分行きわたるように調整しています。
    また、感情面との関係性が深い臓腑と考えられており、ストレスがあると機能が低下しやすいという特徴もあります。
  • 「脾(ひ)」とは、食べ物を消化して吸収するという消化器の働きを担っており、気(エネルギー)や血(栄養)といった、生きていくために必要な物質を作り出しています。

3つの臓腑の働きが悪くなった時、婦人科系の症状が起こるため、臓腑の働きを整えていくこともとても重要です。

血の道症に効果的なツボ

気・血といった物質や、肝・腎・脾という臓腑の働きを整える働きがあるツボを紹介いたします。

血海(けっかい)

名前からしても、「血の道症」に効きそうなツボですね。
このツボは、「血」の量を調整する働きがあると考えられています。

膝のお皿の内側の上角から、指3本分上にあります。

三陰交(さんいんこう)

三陰交は、”3つ陰に属する経絡が交わるところ” という意味です。
”経絡” とは、気・血をカラダ中にめぐらすためのネットワークです。
”3つの陰に属する” というのは、先に述べた肝・心・脾の3つの臓腑につながるという意味です。
このことから、三陰交は、婦人科系に最も効果が期待できるツボとしてとても有名です。

足の内くるぶしの最も盛り上がったところから、指4本上にあり、脛の骨の後ろでアキレス腱との間の凹みにあります。

湧泉(ゆうせん)

湧泉は、腎につながる経絡の一番最初にあるツボです。
経絡の中に流れる「気(エネルギー)」をスムーズに巡らせる働きがあるので、活力アップを目的によく使われるツボです。

湧泉は、足裏にあります。
指先からカカトまでの長さの約1/3、土踏まず中央部から足先に向かって真上に指を滑らせた時、指が止まるところです。
土踏まずと足の指の付け根の関節との間です。

関元(かんげん)

関元は、活力をアップさせるときに使うツボで、特に婦人科のトラブルの時に使用されるツボです。

関元は、下腹部にあります。
お臍から指4本下のカラダの正中線上にあります。

八髎穴(はちりょうけつ)

八髎穴とは、

  • 上髎穴(じょう りょうけつ)
  • 次髎穴(じりょうけつ)
  • 中髎穴(ちゅうりょうけつ)
  • 下髎穴(げりょうけつ)

という4穴、左右合計8穴の総称です。
中でも、次髎穴は婦人科系に効果的であると有名なツボです。

腰中央にある仙骨という骨に、実は8つの孔が左右に4つずつ縦に並んであいており、その8つの穴が八髎穴にあたります。
しかし、手を後ろに回し、8か所を正しく見つけ、押すなどすることは難しいので、仙骨全体をさすったり、拳でトントンと叩いたり、冷やさないように使い捨てカイロなどを使って温めると効果的です。

ツボの位置やケア

ツボを探す時、「本当にここで良いのかしら?」と不安に思われると思います。
ツボのおおよその位置が分かったら、ツボとおぼしきところや、その周り(半径でいうと1㎝位の範囲)で数ヵ所、指で軽く押してみてください。
一番ズーンと感じるところを、ご自身のツボとしましょう。

ツボの位置が分かったら、ツボ押しをしてみましょう。
ツボ押しは簡単にできるセルフケアです。
左右の親指を重ね、ゆっくり1-2-3-4-5のリズムで押していき、1-2-3-4-5のリズムでゆっくり力を抜いてみましょう。
呼吸を吐きながら押すと、副交感神経が働くため、一層の効果が期待できます。

強さは、「押して気持ちがいい」、または、「少し痛いけど気持ちがいい」という強さで、決して痛いほど押さないことがポイントです。
また、お腹にある関元は、親指では押せないので、両手の親指以外の指の背を合わせ、両手指でゆっくり押してみましょう。
お腹が痛い時などは無理をせず、手のひらでさすっておきましょう。

また、婦人科の症状には、お灸が効果的と言われています。
ツボ押しに慣れてきたら、ぜひお灸もおためしいただきたいと思います。

血の道症は、女性ならではの症状で、時に女性であることがイヤになることもあるかもしれません。
時には投薬などの処置が必要なケースもあるかもしれませんが、できれば、上手に付き合っていきたいものです。
ご自身なりに症状が起きるサイクルなどを知り、セルフケアなど、症状の軽減方法を見つけられればQOLの質も上がっていくと思います。
ツボ押しやお灸、ぜひおためしください。

ご質問などあれば、お気軽に問合せフォームより、ご連絡くださいね。