更年期になって、体がだるい、だるくて仕方ない、疲れが取れない、などといった 体がだるい、疲労感、倦怠感という不調でお悩みの女性は多いことと思います。更年期は
ホルモンバランスの変化により、自律神経の不調がおこり、さまざまな体調不良が現れます。
特に、体のだるさ、慢性的な疲労感、疲れが取れない、倦怠感といった不調を感じることが多く、日常生活にも影響を及ぼします。

更年期のだるさ、倦怠感、疲労感

このような症状に対して、鍼灸治療が効果的であることが知られています。鍼灸は、体のツボへの刺激を通じて、東洋医学的な体のめぐりを改善することで、血行の促進、自律神経の乱れを正す効果が期待できます。こうした効果によって、体のだるさ、疲労感、倦怠感の軽減が期待できるのです。

実際に、鍼灸治療をお受けくださった患者様からは、体のだるさ、疲労感、倦怠感の解消とともに、リラックス効果や気分の改善、筋肉の緊張がほぐれるといった声が寄せられています。更年期の不調に対する1つの選択肢として、鍼灸をぜひ試してみてはいかがでしょうか。

更年期のだるさは、多くの女性が経験する症状の1つです。女性ホルモンの分泌低下と自律神経の不調によって起こります。

このだるさ、疲労感、倦怠感は、朝起きた時から起こることもあれば、少し動いただけでも、まるで重労働をしたかのように強く感じることもあるため、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。しかし、だるさや疲労感、倦怠感は、見た目や、他人からは理解されにくい症状であるため、「怠けている」と思われてしまうこともあるため、精神的なストレスを引き起こすことも少なくありません。

さらに、更年期には、睡眠の質が低下したり、感情の起伏が激しくなる、といった症状も起こりたちで、こうした症状は、だるさを悪化させる原因となります。体がだるいと、気分も沈みがちになり、家族や友人との時間を楽しむ余裕もなくなってしまいます。

このような状況に直面した時、まずは自分の体の声に耳を傾け、十分な休息をとることはもとより、軽い運動や、鍼灸などの優しい施術など、ご自身にあった対策を講じることで、だるさの軽減が期待できます。

更年期に感じるだるさの原因

更年期のだるさの原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌低下と、それに伴って起こる自律神経の乱れによるものです。

エストロゲンには、脂肪燃焼、糖代謝などのエネルギー代謝に関与しているため、エストロゲンの分泌低下が起きると代謝を低下させ、疲労感、倦怠感、だるさが生じます。

自律神経は交感神経と副交感信の拮抗作用によって、血圧や心臓の拍動、体温調整、呼吸、消化、代謝など、人間の生命活動を維持する神経です。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、体は疲れやすくなり、慢性的な疲労感、倦怠感、だるさを感じやすくなります。
また、自律神経の不調は睡眠の質を低下させ、だるさを助長することになります。

さらに、精神的な要因も見逃せません。更年期は、自分の体の変化に戸惑いや不安を感じやすい時期です。このストレスも、体力を奪い、だるさを悪化させる要因となります。

こうしたさまざまな要因が重なることで、更年期のだるさは一層深刻化することがあります。

更年期に感じる「だるさ」

更年期に感じる「だるさ」は、さまざまなシーンで現れます。

まず、感じる疲労感が強くなることが挙げられます。軽い家事や日常的な動作をするだけでも、身体が重く感じ、すぐに疲れてしまうことがあります。

また、体力が低下することにより、以前は問題なかった運動や外出も億劫に感じるようになります。この結果、活動量が減少し、さらに体力が落ちてしまいすぐに疲れてしまうという悪循環に陥ることも多いです。

加えて、集中力や記憶力の低下・鈍化も起こり、思考がまとまらず、うっかり物を忘れてしまうことが増え、脳疲労が起こる要因となっています。
だるさ、疲労感、倦怠感は、体だけの問題ではなく、精神・神経面にも起こる症状です。

症状は、個人によって異なるものの、全体的に精神的にも身体的にも負担をかけるものです。適切な治療やケアを行うことで、これらの症状を軽減することが期待できます。

鍼灸治療の基本情報

鍼灸治療は、古代中国にルーツを持つ伝統医学に基づく治療法です。鍼(はり)と灸(きゅう)を使って体の特定のポイント=ツボに刺激を与え、経絡の流れを改善・促進していきます。これは、体内のエネルギー(気や血)の循環を整えることで、体全体のバランスを整え自然治癒力を高めていきます。その結果として、さまざまな症状が解消されていきます。

はじめに鍼灸師によるカウンセリングが行われ、個々の症状や体調、体質に応じて鍼灸を施すツボが選定されます。だるさ、疲労感、倦怠感などの更年期症状に対しても、体全体のバランスを考慮しながら、適切なアプローチがなされます。

当院で使用する鍼は日本製の細い鍼を使いますので、痛みはほとんどなく、またお灸も日本製の質の良いお灸を使用し、気持ちの良い温かい熱感のお灸を行いますので、リラックスして施術をお受けいただけます。また、鍼灸治療は薬のような副作用がないので、薬に頼りたくない方にも向いています。一度体験してみることで、自分に合った治療法を見つけることができるでしょう。

鍼灸治療の歴史と基本概念

鍼灸治療は、約3000年の歴史を持つ伝統医学=東洋医学の療法の1つで、古代中国に起こりました。自然界のエネルギーの流れに注目しています。中国から韓国や日本など他の国々に伝播すると、それぞれの文化に合わせた独自の発展がなされてきています。

基本的な概念の1つに、人間の体には「気」や「血」と呼ばれるエネルギーが流れており、これらが体のすみずみまで順調に流れていると健康である、という考え方があります。この「気」や「血」は、経絡と呼ばれるエネルギーの通り道を通じて全身にめぐっており、その流れが滞ると不調が起きると考えられています。

鍼灸治療では、この「気」と「血」の流れを改善するために、特定のツボに鍼を刺し、お灸で熱を加えて刺激します。この刺激により自己治癒力が高まり、心身のバランスを整えることができます。日本においては、健康管理に鍼灸治療を取り入れる方が年々増えており、その効果を実感し、日常生活に取り入れられています。

現代における鍼灸治療の位置付け

現代において、鍼灸治療は多くの人々に支持されています。特に、ストレス社会で生活する現代の人々にとって、心身のリフレッシュと健康維持を目的とした非薬物療法として注目されています。

近年、鍼灸治療はクリニックや大学病院でも取り入れられており、ひと昔前までは胡散臭いと思われがちな鍼灸治療は、今や科学的な裏付けに基づく治療となりつつあります。世界保健機構〔WHO〕やアメリカ国立衛生研究所〔NIH〕でも鍼灸の効果を認め、鍼灸の適応症状をあげています。また世界各国で鍼灸の効果にかかわる研究が行われており、慢性的な痛みや自律神経の乱れ、更年期障害など、幅広い症状に対応できるとされています。

さらに、鍼灸治療は西洋医学と異なり、心身をまとめた一個体全体のバランスをみてアプローチしていくことが特徴です。これにより、単に症状を抑えるのではなく、心身全体の調和を促進し、根本からの改善を目指すことが可能です。

このように、現代のストレスを抱える女性たちにとって、鍼灸治療は心身の健康をサポートする有効な手段となっています。

鍼灸治療が更年期のだるさに与える効果

鍼灸治療は、更年期のだるさを和らげるために非常に効果的な手段となっています。
まず、鍼灸は特定のツボに刺激を与えることで、血流改善と促進をしていきます。これにより、全身の循環が良くなり、疲労感が軽減されることが期待できます。

さらに、鍼灸には自律神経のバランスを整える効果もあります。更年期にはホルモンの変動に伴って、自律神経が乱れて、さまざまな症状が起こります。鍼灸によって、リラックス状態を促進し、ストレスを緩和することが可能となります。

また、鍼灸は自然治癒力を引き出すための手助けをします。体内のエネルギーの流れをスムーズにし、免疫力の向上にも寄与します。これらの効果を実感することで、更年期に伴うだるさが和らぎ、日常生活の質が向上していきます。

鍼灸治療の実際の流れ

鍼灸治療の実際の流れについてご紹介します。

初回は、まずカウンセリングが行われます。現在の症状のほかに、月経、既往歴、社会歴、生活習慣などについて詳しく聞き取りいたします。心身の状態を理解し、最適な治療を行うために大切な情報となります。

次に、鍼灸をはじめてお受けいただく場合には、鍼灸についての説明、適したメニューと料金の案内などを行っていき、ご納得いただいた上で、鍼灸治療がスタートいたします。もし不安なこと、不明なことなどがあれば、遠慮なくご質問ください。

治療のはじめに、東洋医学的な脈診や腹診などと言われる診察を行って、体全体の健康状態を把握していきます。施術中はリラックスして、鍼灸をお受けいただくと、より効果的です。

施術後は、鍼灸にたいする体の反応や体調の変化について確認をします。今後の治療計画や、施術を通して分かった身体の状態改善のために、自宅でできる簡単なホームケアや生活習慣改善のアドバイスをいたします。

治療期間と回数

更年期の症状のように、慢性的な症状の改善のためには、治療は1回だけでなくある程度継続していくことで、効果を実感できるものなので、定期的にご通院されることをお勧めします。

一般的には、最初のうちは週に1回のペースで通うことが推奨されます。症状がかなり辛い場合には、1週間に2回のペースでもかまいません。1週間以上あけてしまうと、体がまた元に戻ってしまう可能性があります。

初めの数週間は週に1回のペースでお受けいただくと、症状の改善が実感できることが多く、その後は体調に応じて通う頻度を調整していきます。症状が軽減し、またホームケアや生活習慣を見直して、ある程度ご自身で症状のコントロールが可能になってきたら、月に1回程度のメンテナンス治療を行うことで、状態を維持することができます。

また、個人の体質や症状の重さによっても治療の回数や期間は異なりますので、自分に合った治療プランを提案してもらうことが大切です。担当の鍼灸師としっかり話し合いながら、最適な治療法を見つけていくことが大切です。

鍼灸治療を受ける際の注意点

鍼灸治療を受ける際には、いくつかの注意点があります。

まず、信頼できる鍼灸院、鍼灸師を見つけることからはじまります。鍼灸師は国家資格を有しますが、臨床経験の深浅によって知識・技術力が違ってきます。特に近年では分野ごとに専門鍼灸院があるほど、細分化されてきています。更年期特有の症状でお困りの場合は、更年期分野を得意とする鍼灸院、鍼灸師を選ぶことで、安全かつ効果的な治療を受けることができます。

次に、治療においては、自分の体調や症状をしっかりと伝えることが大切です。鍼灸師が適切な施術を行うために大切な情報源となるので、できるだけ多くの情報提供が必要となります。直接関係ないと思われることであっても、気になることはぜひ鍼灸師に伝えてください。話の内容と、東洋医学独特の診断法を用いた身体のチェックを総合的に判断し、最適な治療法を提供することが可能となります。

また、施術後の体調の変化にも注意が必要です。鍼灸によって急激な血行促進が起こると、一時的にだるい、眠いなどの症状が出たり、まれに好転反応として、一時的に体調が悪化することもあります。これらの症状は、通常は半日~1日程度の短期間で回復します。気になる症状が続く場合は、遠慮せず担当鍼灸師に相談しましょう。

最後に、治療の効果を高めるためには、生活習慣の見直しも欠かせません。日々のストレスを減らし、規則正しい生活を心がけることで、鍼灸治療の効果をより実感できるでしょう。

医師との連携

鍼灸治療を受ける際に重要なのが、医師との連携です。特に更年期障害に悩む方は、体調の変化が複雑であることが少なくないため、病院での診断や必要であれば治療も併せて受けることが推奨されます。症状の解消のためには、西洋医学と東洋医学の両面からのアプローチが効果的です。

例えば、ホルモン治療や他の薬物治療と併用する場合、鍼灸によって相乗効果が得られることもあります。一方で、鍼灸治療によって、服用している薬の効果が強く顕れることもあるので、鍼灸師に受けている治療、服用している薬について必ず伝えてください。

また、更年期の症状だと思っていても、実は違う病気が原因で起きている症状かもしれません。日常生活に影響がでている場合は特に、病院での検査、治療が必要だと思います。

そして、できれば担当医にも鍼灸を受けていることなど、情報提供することが推奨されます。

自宅でのセルフケア

自宅でできるセルフケアは、更年期のだるさを和らげるために非常に有効です。日々変化する心身の状態に耳を傾けることが大切です。

まずは、リラックスできる環境を整え、少しでもストレスを軽減していくことが大切です。静かな場所で深呼吸をすると、心を落ち着けることができます。好きな香りを嗅ぐことや、ゆったりとした音楽を聴くことも効果的です。

次に、軽い運動を取り入れることをおすすめします。ウォーキングやストレッチ、ツボ押しなど、運動が苦手の人でも日常生活の中で無理のない範囲で行ってみましょう。心身の緊張を和らげ、血行を促進することができるので、だるさの改善につながります。ただし、負担にならない程度のものを取り入れることが推奨されます。負担を感じ無理して行うとストレスになってしまい、逆効果になってしまいます。

また、お風呂はシャワー浴ではなく、ぬるめの湯舟に浸かると、体の緊張をほぐすだけでなく、リラックス効果も期待できます。

さらに、食事にも気を配りましょう。栄養バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンやミネラル、抗酸化物質を豊富に含む食品を意識して摂ることが重要です。代謝を高め、疲労回復に効果的なビタミンB群(豚肉、ウナギ、豆腐、牛乳、卵など)がおすすめです。また、適度な水分補給も忘れずに行いましょう。

これらのセルフケアを意識することで、鍼灸治療の効果をより実感できるでしょう。自分に合った方法を見つけ、無理なく続けることが大切です。

まとめ

更年期のだるさ、疲労感、倦怠感は、女性にとって非常に辛い症状の1つです。ホルモンバランスの崩れやそれに伴う自律神経の不調によって引き起こされるさまざまな症状に、鍼灸治療が注目されています。

鍼灸は、心身のバランスを整え、血行を改善することで、だるさの軽減に寄与します。多くの方が、施術後にリフレッシュ感や体の軽さを実感しています。更年期による不調を和らげるための一つの手段として、鍼灸治療が有効であることを理解していただければ幸いです。

更年期に入ったら、自分の体をいたわることが何よりも大切です。更年期の時期に適したアプローチとして、ぜひ鍼灸治療を検討してみてください。心身ともに健康を取り戻す手助けになることでしょう。