眼精疲労とはどのような症状を言うのか、ご存知でしょうか?
眼精疲労は、単なる目の疲れ(眼疲労)ではありません。
目の疲れにさまざまな症状を伴うような病態を眼精疲労といいます。
正しく眼精疲労のことを理解して、症状の進行を防止し、少しでも症状緩和につなげられるようにしていきましょう。

私たちは、朝起きてから夜眠るまで、絶え間なく目を使っています。
そのため、目の疲れや痛み・重み、かすみ目、まぶしさ、眼の充血などといった、目の不快症状や疲れを経験しがちです。
日常的なこれらの症状は、通常は、休憩したり、眠ったりすることで自然と回復していくものです。
症状が軽く、短時間で回復可能な状態は、いわゆる「疲れ目=眼疲労(がんひろう)」と言います。

疲れ目と眼精疲労との違い

これに対して、休憩したり、睡眠をとっても「疲れ目=眼疲労」が改善せず、目の症状にプラスして、頭痛、肩こり、吐き気などの全身症状を伴うようになってしまった時、医学的には「眼精疲労(がんせいひろう)」と言い、「疲れ目=眼疲労」と区別しています。

今の眼精疲労度のチェック

眼精疲労が単なる目の疲労ではない、ということを理解していただいたところで、次に、今現在の眼精疲労度をチェックをしてみましょう。
これから20項目の症状をあげますので、いくつあてはまる症状があるか、数えてみてください。

1.パソコンやスマートフォンなどをほぼ毎日4時間以上使う
2.眼鏡やコンタクトレンズの度数の調整を数年行っていない
3.目がショボショボする
4.目がかすむ
5.新聞などの小さい字が見えづらく、最近視力が落ちてきた
6.目薬を常用している
7.目が乾く、ドライアイである
8.目や目の奥が痛い、重い
9.夕方から近くが見えづらい
10.目が充血することがある

11.まぶたがピクピクと痙攣することがある
12.後頭部から首筋が痛い、重い
13.肩が張っていて、肩こりがある
14.こめかみや目頭、額が重く、張る
15.頭重感(頭が重い)がある
16.頭全体に違和感や、締め付けられるような圧迫感がある
17.頭痛、偏頭痛がある
18.目を使いすぎると吐き気がする
19.寝不足、不眠
20.体がだるく、倦怠感がある

眼精疲労度と対処法

項目のチェック結果はいかがでしたか?
いくつあてはまりましたか?
20個の項目は、どれも眼精疲労の症状なので、あてはまる項目が多いほど眼精疲労度は高く、”危険信号” です。
眼精疲労度のチェック結果と、その対処法をご紹介させていただきます。

眼精疲労のチェック項目を数える

0~1個:安心レベル

【結果】

  • 今のところ、眼精疲労の心配はなさそうです。

【対処法】

  • 眼精疲労にならないように、目の使い過ぎに気を付けた生活を心がけましょう。
  • また、目の検査、視力の検査は、少なくとも年に一度は受け、目の健康を維持していきましょう。

2~5個:中等度レベル

【結果】

  • 眼精疲労になりつつあるようです。
  • 今現在の生活を続けていると、眼精疲労になり、慢性化する可能性があります。
  • 目を使いすぎる生活を改善をして、眼精疲労に進行しないように注意が必要です。

【対処法】

  • 何かを見続けていると、まばたきを忘れてしまうことがあるので、意識してまばたきを行うことも大切です。
  • そして、時に「遠く」をぼーっと見ることも必要です。

6~10個:要注意レベル

【結果】

  • 自覚症状が仮になくても、今の状態は眼精疲労になっているレベルです。
  • 放置していると、症状が複雑化して直りにくくなる恐れがあります。
  • 目の休息を積極的にとり、カラダを休ませましょう。

【対処法】

  • 目の周りの血流を促進させるため、蒸しタオルやホットアイマスクなどを使って、目の周りを温めるとリフレッシュすることができます。
  • 眼球を動かす筋肉はいくつかありますが、パソコンやスマートフォンなど、長時間にわかって同じ姿勢で同じ方向を見続けていると、目の周りの筋肉も凝り固まってしまいます。
    顔は動かさずに、ゆっくりと、上下左右に眼球を動かす目のストレッチ体操をして、ほぐしてみましょう。
  • 眼精疲労に効果が期待できるツボ押しなどもおすすめです。
    → 詳しくは「眼精疲労に効くツボ」のページをご参照ください。

11個以上:危険レベル

【結果】

  • かなりお疲れが溜まっていて、休息をとってもなかなか直りにくくなっている状態です。
  • 眼科で目の検査を受けた方が良いかもしれません。

【対処法】

  • 原因がどこにあるのか、生活の見直しをしっかり行う必要があります。
  • パソコンやスマートフォンなどの使用では、必ず1時間に10分程度の目の休息をとるようにしましょう。
  • また、休息の際には、目を休ませるだけでなく、首のストレッチ、伸びをするなど上半身のストレッチなども取り入れ、体全体の血流を促進させることも必要です。
  • 目の疲労、体の疲労を早期に回復させるため、食生活にも気を付ける必要があります。
    目に良いとされている栄養素には、ビタミン群(A、B、C、D、Eなど)、ルテイン、アントシアニン、DHA、アスタキサンチン、カルシウムなどがありますが、そればかりを摂るのではなく、バランスの良い食生活の中で摂るように心がけましょう。

目の疲れ(眼疲労)から進行しておきる眼精疲労は、症状を複雑化させ、辛い症状をひきおこします。
少しでも気になる症状があれば、休息を十分にとりながら、早めにケアをはじめることをおすすめいたします。

次のページもぜひご参照ください。
眼精疲労に対する鍼灸治療」のページ
●「眼精疲労に効くツボ」のページ