パソコンなどのディスプレイ〔VDT〕を使った作業が長時間に及ぶことにより、目、体、精神面に影響がでる病気のことをVDT症候群と言い、別名「IT眼症(がんしょう)」とも呼ばれています。
近年では、パソコンだけでなく、テレビ、スマートフォンなどの機器の普及が進み、VDTを使用する機会と時間が増えていることで、眼精疲労の増加に関連があると考えられています。
※VDT:Visual Display Terminalの略(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)
目次
VDT症候群の症状
VDT症候群の症状は、
- 目の症状
- 体の症状
- 精神の症状
の3つに分けられます。
①目の症状
- 目の疲れ(眼疲労)
- 目の痛み(眼痛)
- 目が乾く(ドライアイ)
- かすみ目
- ぼやける
- 視力の低下
集中して画面を見つめるVDT作業では、まばたきが減り、涙が目の表面から蒸発しやすくなり、目の乾燥が進むといわれています。
②体の症状
- 首・肩こり、痛み
- 腕の痛み、だるさなどの症状
- 背中の痛み
- 手指のしびれ
③精神の症状
- イライラする
- 不安になる
- 抑うつ状態 など
日々の長時間にわたるVDT作業により、目や全身の疲労が慢性化すると、仕事の能率が落ちる、気分が落ち込むなど、影響が広がると考えられています。
VDT症候群の原因
VDTを使った作業時間が連続して長く続くほど、目に関する症状が多くなります。
目の使い過ぎによる症状が進行していくと、視力低下、ドライアイ、結膜炎などの症状と共に、眉間やおでこの圧迫感、頭重感、頭痛、めまい、吐き気などがおこることもあります。
VDT作業は、物を書いたり、本を読んだりすることと比較をすると、VDT作業は長時間にわたって同じ姿勢を続けることで、首、肩、腕、背中などの筋肉が緊張すること、また、視線がディスプレイ、キーボード、書類などの間を頻繁に行き来するため、より疲労がたまりやすいと言えます。
VDT症候群対策
VDT症候群対策として、次のようなことに注意することが大切です。
- VDT作業において
室内は、できる限り明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。 - パソコン作業において
椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。
40cm 以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように、必要に応じて適切な眼鏡やコンタクトによる矯 正を行うこと。
ディスプレイは、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。
ディスプレイ画面とキーボード、書類との視距離が同じくらいにし、適切な視野範囲になるようにすること。 - 休憩をとる
1 時間に10~15分程度は、定期的に休憩をとる。
休憩中はリラックスして、目を閉じるか、遠くを見るようにすると良い。 - 体操・ストレッチをする
時々軽く体を動かして、体の緊張をほぐす。 - 視力矯正
眼鏡やコンタクトなどを使って、適正な視力に矯正する。
定期的な視力検査を受けることが好ましい。 - ドライアイや緑内障などの眼の疾患がある場合
過度なVDT作業によって、症状が悪化する場合があるので、十分注意が必要。 - 乾燥に注意
室内が乾燥しないように湿度を調整する
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