子宝鍼灸(妊活鍼灸/子宝鍼灸)治療の施術をお受けくださっている患者様から、サプリメントや食事、栄養素についてのご質問をいただくことがあります。
妊活中の人や不妊に悩んでいる人の多くは健康な赤ちゃんを授かり、出産するために、さまざまな方法で自分の体をいたわっておられると思います。
食事は身体づくりの基本となるので、とくに注目していただきたいものです。
食事やサプリメントから「妊娠に大切な栄養素」を積極的に摂取することはとても大切なことです。
今回は、不妊鍼灸(子宝鍼灸)をお受けくださっている患者様はじめ、妊活中の人や不妊症に悩んでいる方に、積極的に摂りたい栄養素とサプリメントについて解説していきます。
目次
妊活や不妊症のお悩みの方に必要な栄養素(ビタミン)
「私は太めだから栄養満点」と思っている人、意外と多いかもしれません。
しかし、「体格の良し悪し」と「栄養素の過不足」とは、まったく関連性がありません。
体格がいい人でも栄養素が不足している人はたくさんいるのです。
とくに妊活中の人や不妊に悩んでいる人は、妊娠に与える影響が大きい栄養素を積極的に摂取していくことが好ましいのではないでしょうか。
不妊鍼灸(子宝鍼灸)治療の施術をお受けくださる患者様にお話しを聞くと、バランスが良い食生活を心がけていても、外食などが多く、なかなかバランスの良い食事をすることは難しいと実感されている方が多いようです。
そこで、まずは、妊活中の人や不妊に悩んでいる人に、特に必要な4つのビタミンを紹介いたします。
①葉酸
妊娠に欠かせない栄養素といえば葉酸がとても有名です。
それは、葉酸が胎児の神経管閉鎖障害のリスクを軽減するといわれているからです。
胎児の神経は妊娠初期に形成されるので、妊娠初期から体内の葉酸が適正量を維持することが大切になります。
しかし、妊娠初期は妊娠したことに気づきにくいものなので、妊活中から葉酸を積極的に摂取した方がよいと言えます。
【葉酸を含む食品】
ほうれん草、レバー、納豆 などに含まれています。
ただし、レバーにはビタミンAも豊富に含まれています。ビタミンAの過剰摂取は胎児に悪い影響を与える可能性が高くなるため、偏った過食などによる過剰摂取には気をつけてください。
②ビタミンD
ビタミンDは、免疫調整作用、抗炎症作用、生殖ホルモンの分泌に関与しています。
2019年にイギリスで発表された論文では「ビタミンDが足りていない人と十分に摂っている人とでは、十分に摂っている人の方が妊娠に対して良い結果が得られる」と発表しています。
つまり、ビタミンDが不足すると不妊になり、しっかり摂ると妊娠率が上がるということです。
近年ビタミンDは子宮内膜の環境を整え、着床に必要な栄養素として注目されています。
ビタミンDが不足すると、体外受精を行っても受精率が低下したり、流産率が高まります。
不育症や反復着床不全の方の多くに、ビタミンD不足や欠乏が見つかるようです。
その他、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、胎児発育不全の頻度を増加させるという報告があり、赤ちゃんの発達障害の可能性が高まるとも言われています。
このように、妊活にはとても大切なビタミンDなのですが、残念なことに、日本人の多くは、ビタミンDが不足していると言われています。
女性に広まっている ”美白”、”日焼けしないために日焼け止めを塗り日傘をさす” という習慣や、朝は早く会社に行き、暗くなってから自宅に戻るという生活スタイルなどが、ビタミンD不足を招いています。
というのは、ビタミンDは日光に当たることで、体内で作ることができるからです。
日光に当たるタイミングがない生活を送っていると、ビタミンD不足となってしまいます。
ビタミンDを体内で合成させるためには、1日15分程度の日光浴が必要です。
日光浴は、手の平など局所だけでもOK。
日に当たらない生活をおくりながら、上手に日光に当たる機会を作ることが必要です。
不妊鍼灸(子宝鍼灸)にご通院下さる患者様の中には、フルタイムでお勤めをされており、平日は太陽とは無縁となっている方が少なくありません。
少なくとも土日の休日には、気分転換をはかりながら、日光に適度に当たる生活をおくっていただくことがおすすめです。
【ビタミンDを含む食品】
カツオ、サンマ、きくらげや干しいたけなどの乾物にビタミンDが含まれています。
参考サイト:大塚製薬「栄養素カレッジ」
③ビタミンB群
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類をさします。
意外とたくさんの種類があるビタミン群です。
実は、先ほどの葉酸もビタミンB群のひとつです。
ビタミンB群の特徴は、どれかひとつを頑張って摂取すればいいということではなく、すべてをバランスよく摂取することでお互いに助け合って力を発揮する性質があります。
ビタミンB群は、生きるためのエネルギーを作ったり、DNAの生合成に使われたりします。
妊活中は大量のエネルギーを使うため、代謝に役立つビタミンB群は積極的に摂りたい栄養素と言えます。
三大栄養素と呼ばれる ”タンパク質”、”糖質”、”脂質” を意識して摂取しても、ビタミンB群が不足していると、体の中で円滑に代謝されません。
エネルギーに変換されないだけでなく、蓄積されてしまいます。
それぞれの主な働きは以下の通り
- ビタミンB1:糖質の代謝に関わる
- ビタミンB2:脂質の代謝に関わる
- ビタミンB6:アミノ酸の再合成を手助けする
- ビタミンB12:ビタミンB6と同じように、タンパク質の合成やアミノ酸の代謝に関わる。
また、正常な赤血球の生成にも欠かせない栄養素
ビタミンB群は、水に溶ける水溶性ビタミンです。
ビタミンB12以外のビタミンB群は、水溶性であるため体にためておくことが難しく、多く摂った分は尿に排出されてしまいます。
過剰症がない分、不足することが多いため、規則正しく摂取し続けることが大切です。
【ビタミンB群を含む食品】
- ビタミンB1:豚ヒレ、豚モモ、ソバ、真鯛、玄米
- ビタミンB2:豚レバー、ウナギ、ブリ、サワラ、モロヘイヤ
- ビタミンB6:カツオ、マグロ赤身、鮭、豚ヒレ、鶏ささみ
- ビタミンB12:牡蠣、アサリ、サバ、ホタテ、ホッケ、シジミ
- ナイヤシン:たらこ、マグロ赤身、鶏むね、サバ、鶏ささみ
- パントテン酸:鶏レバー、鶏ささみ、納豆、鶏むね、アボカド
- ビオチン:カリフラワー、大豆
④ビタミンE
ビタミンEは、子宝ビタミンとか、妊娠ビタミンと呼ばれています。
血流を活発にし、女性ホルモンの生成と分泌に深く関与するビタミンです。
また、強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐので、卵子や子宮の内膜の質を改善してくれると言われています。
結婚時期と妊活時期が遅くなってきている近年では、特に妊娠を希望されている35歳以上の方は意識して摂取することが必要だと思います。
妊娠率との関連が報告されているビタミンD、代謝に不可欠なビタミンB群とともに積極的に摂取したいものです。
【ビタミンEを含む食品】
紅花油、アーモンド、落花生などのナッツ類、カボチャ、ホウレン草、サンマ、イワシなど。
ビタミンEは、ビタミンD同様に脂溶性ビタミンであるため、過剰摂取に注意が必要です。
良かれと思ってサプリメントなどで偏って摂取すると身体に蓄積されていき、血液が止まりにくくなるなど身体には有害となります。
妊活や不妊とサプリメント
妊活中に必要な栄養素はたくさんあります。
食べ物からすべてを摂取しようと思えば、さまざまな食材が必要です。
毎日、さまざまな食材を使った食生活をおくることはなかなか難しいことではないでしょうか。
専業主婦であればそれも可能かもしれませんが、働きながら妊活を行っている方にとって、栄養バランスを考えたご飯の支度はかなりハードルが高いと思います。
そこで、簡単に栄養素を効率よく摂取できる方法としてサプリメントがあります。
簡単ではありますが、妊活中にサプリメントを摂取する時には注意点もあります。
不妊鍼灸(子宝鍼灸)をお受けいただいている患者様からも、サプリメントは飲んだ方が良いのか、飲むとしたらどのようなことに注意が必要なのか、サプリメントについてご質問をうけます。
そこで、ここからは、妊活中のサプリメントについて解説していきます。
サプリメントとは
サプリメントとは「栄養補助食品」を意味しています。
つまり、不足しがちな栄養素を「補うためのもの」であって、食事がしっかり摂れていれば、特に摂る必要はないものと言えます。
サプリメントは形としては医薬品に似ていますが、医薬品ではなく、あくまでも食品に分類されるものです。
医薬品の場合は、1日に摂取する量が決められていますが、食品であるサプリメントには摂取する量は決められておらず、目安量が表示されています。
「薬ではないから」と軽い気持ちで、良かれと思って目安量を超える量を過剰に摂取してしまうと、健康障害をおこすこともあります。
サプリメントを使うときには、まず自分に不足している栄養素を確認し、適したサプリメントを選び、目安量を守ることが大切です。
妊活中にサプリメントを摂る時に注意すること
妊活中に「このサプリメントがいいよ」と言われたり、”妊活中のサプリメント” と称するものを目にすると、積極的に摂取したくなると思います。
少し前に、大豆イソフラボンが流行ったことがありました。
大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをするということで、大豆イソフラボンのサプリメントを過剰に摂取する人が出てしまったのです。
その結果、過剰摂取による健康被害が出てしまい、2006年に厚生労働省は大豆イソフラボンに関する次のような指針を発表するに至りました。
「妊娠中や授乳中、乳児および小児は摂取しないこと」という内容です。
サプリメントは適切に利用すれば効率的に栄養素を摂取できる便利なものですが、サプリメントを使うときには、1日の目安量を守り、場合によっては自己判断ではなく、かかりつけクリニックの先生や薬剤師、知識のある人にアドバイスをもらって、適切に利用すると安心です。
繰り返しになりますが、サプリメントは「補助食品」です。
医薬品ではないので、必ず飲まなければならないものではないので、しっかり食事ができた時は、飲む必要はありません。
むしろ、多く摂った分は、水溶性の成分であれば、尿として排泄されてしまい、もったいないこともあります。
成分が混合されているものであれば、何がどのくらいの量、含まれている物なのか、確認することも必要だと思います。
おわりに
妊活や不妊に関係する栄養素を深く追求すると「あれも摂取したい、これも摂取したい」と思ってしまいます。
「妊活にいい栄養素」は確かにありますが、そればかりを偏った摂り方ではなく、一番大切なことはバランスよく摂取していくことではないかと思います。
アキュモード鍼灸院には、看護師や医薬品登録販売者やアロマセラピストなど健康に関するさまざまな資格をもっているスタッフが在籍しています。
不妊鍼灸(子宝鍼灸)をお受けいただきながら、「サプリメントを使った方がいいの?」「どのような栄養素が必要なの?」「不調の原因がわからない」などのお悩みに、さまざまな角度からアドバイスをさせていただきます。
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この記事を書いた【アキュモード鍼灸院】について
当院では、東京都港区北青山(外苑前/表参道)にある女性専用の女性のための鍼灸院です。
女性ならではの不調、日常的なこりや痛み、自律神経のトラブルなどに対し、鍼灸施術を行い、健康管理のサポートを行っております。
スタッフは全員アラフィフ世代の経験豊富な女性鍼灸師です。
同じ女性だからこそ、かゆいところに手が届くような施術を心を込めて丁寧に、マンツーマン対応させていただきます。
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