「不妊治療はお金がかかる」と言われてきました。
また、不妊治療は「お金をかければ必ず効果が出る」というわけでもありません。
不妊治療は、長くなればなるほど経済的にも精神的にも負担が大きくなります。

今回は、不妊治療を賢く続けるために知っておきたい期間と費用、そして制度と乗り越えるコツをお話しします。

不妊治療の期間と費用

2021年3月に公表された野村総合研究所のデータによると、高度な不妊治療によって生まれた赤ちゃんは年間56,000人以上となりました。
これは生まれた赤ちゃん全体の約6%にあたります。
約6%という数字自体、決して少ない値ではありませんが、この数字の後ろには、もっと多くの不妊治療中の人や治療を検討している人がいることを意味しています。
不妊に悩む人たちは、どれくらいの期間を治療にあて、どれくらいの費用をかけているのでしょうか。

まずは、不妊治療の期間と費用の実際をみてみましょう。

不妊治療にかかった期間

不妊治療にかかった期間は、治療を始めてから妊娠するまでの期間のことですが、ある調査では、平均29か月というデータがあります。

しかし、妊活する人や不妊治療を始める人にとって、まったく意味のない数値ではないかと思います。
というのは、この数値には、不妊治療を終えなければデータに反映されてきませんし、治療中の人や不妊治療を途中でやめた人もデータに入っていないからです。

また、不妊治療を最初から期間で考えてしまうと大きなストレスになります。
もしも平均29か月というデータを参考にすれば、例えば、治療を始めて20か月が経過したところで「あと9か月以内にゴールを迎えなければ…」と自然と焦りがでてくるものだと思います。
しかし、妊活は焦ったところで先に進むわけでもなく、何も変わらないのです。

「不妊治療の実態に関する調査研究」によると、「妊活前に想定していたよりも妊娠するまでの期間は長かった」と答えた人が全体の約40%を占めています。
このことからも、「妊活をしよう」、「不妊に対して行動しよう」という決断は、早いに越したことがないのかもしれません。

参考サイト:厚生労働省「不妊治療の実態に関する調査研究」

不妊治療にかかった費用

不妊治療にかかった費用の平均は治療の内容によって大きな差があります。
検査や指導だけならば10万円以内が圧倒的に多いのですが、高度な治療を行った場合は1回あたり50万円以上になることもあります。
不妊治療は保険の対象外になるものがほとんどのため、費用は高額になりがちです。

おおよその費用の目安をあげると、

  • タイミング法などの一般治療は1回2~3万円、
  • 顕微鏡を使った高度不妊治療になると1回30万円以上から100万円程度まであります。

また、不妊治療を行っている医療機関と自宅が離れているときには交通費も加算されます。

不妊治療の費用負担を軽くする
「特定不妊治療費助成制度」

2022年度から高度な不妊治療にも保険を適用する方向で話が進められています。
その前段階として2021年度から始まった国の制度が「特定不妊治療費助成制度」です。
助成回数は子ども一人につき6回まで(40歳以上43歳未満は3回)ですが、対象年齢と所得制限はありません。
事実婚も対象となります。
1回につき30万円(条件あり)が助成されます。

注意点しては、助成される治療の対象は、高度不妊治療であることです。
タイミング法のような一般的治療は助成の対象になりません。
また、自治体で助成を行っている場合もあります。
国と自治体では助成される条件などが違うため、それぞれの自治体で確認しましょう。

助成制度は不妊治療の経済的な負担を軽くする画期的な制度です。
「もう少し待てばもっと助成されるようになるかも」と待ちたくなる気持ちもわかりますが、不妊治療は少しでも早くスタートさせることが必要です。
今利用できる制度を最大限に活用して一歩を踏み出しましょう。

不妊治療を始める前に
決めておきたい期間と費用

不妊治療は、残念ながら、頑張りと結果が必ずしも結び付くとは言えません。
また、お金をかければかけただけの成果が得られるというわけでもありません。
経済的にも精神的にも、そして肉体的にも限界を超えてしまったら「つらい不妊治療」になってしまいます。
不妊治療をつらいものとしないためには、不妊治療を始める前に「ここまで」というラインを決めておくことがポイントです。
「ここまで」というラインは、決してあきらめの線ではありません。
ふたりの将来の設計図を描きなおすタイミングです。

また、赤ちゃんを迎えるためにできることは不妊治療だけではありません。
アキュモード鍼灸院では、症状に対する治療や処方ではなく、体全体をみて不妊の根本的な原因を探ります。
体の機能が十分に働き、元気で妊娠しやすい体づくりと、妊娠状態を維持できる体へとうながしていきます。
ベーシック鍼灸ケアならば、1回あたり8,800円(税込み・初見は別途3,300円)とリーズナブルです。
予算に応じてオプションをつけることができるため、無理なく計画的にお続けいただけます。

おわりに

鍼灸は不妊治療とは違い、すぐに結果が出るものではありません。
アキュモード鍼灸院では、女性の体のサイクルを考えて「3か月を1クール」として施術しています。

不妊治療の話は友達や家族でもなかなか気軽に話せないものです。
アキュモード鍼灸院には、不妊治療を経験したスタッフがたくさんいます。
3か月という期間の中で信頼関係を築きながら絆を深めさせていただき、「つらい不妊治療期間」ではなく「ポジティブな妊活期間」にしていただくことを願っています。