更年期になると、心身にさまざまな変化が現れ、不安感を感じることが多くなります。この不安感は、ホルモンバランスの乱れやストレスが影響していると言われています。
しかし、ツボ押しや鍼灸治療を利用することで、自然な方法で不安感を和らげることが可能です。
ツボを刺激することは体内の気の流れを整えることができるので、不安感などを鎮めることができるのです。

このページでは、更年期の不安感に効果的なツボを10か所ご紹介いたします。これらのツボを適度に刺激することで、リラックス効果を得ることができ、心の安定につながります。

アキュモード鍼灸院では、女性鍼灸師が東洋医学の知識を活かし、あなたの不安感を軽減するお手伝いをさせていただきます。ぜひ、ツボの力を活用して、心の平和を取り戻してみてください。

不安感

更年期は、一般的に45歳から55歳の女性に訪れる生理的な変化の時期です。この時期、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することで自律神経の乱れが起こり、さまざまな身体的・精神的な症状が現れます。特に、不安感やイライラ、焦燥感などの情緒不安定は、多くの方が経験する症状として知られています。

これら精神面の症状の背後には、ホルモンバランスの変化だけでなく、生活習慣、ストレスなどが密接に関与しています。職場での責任、家庭での責任など、心的な負担が増すことで、不安感が引き起こされることも少なくありません。また、体がだるく感じたり、眠れない日が続いたりすることも、不安感を悪化させる要因となります。

更年期の不安感は、はじめは一時的なものかもしれませんが、放置すると日常生活や人間関係にも影響を及ぼすようになることもあるので、気づいたら早めに対処していくことが大切です。

更年期とは何か

更年期とは、女性の生理的な変化が起こる時期を指し、一般的には45歳から55歳の間に訪れます。この時期は、ホルモンバランスが乱れ、特にエストロゲンというホルモンの分泌が減少します。ホルモン分泌の減少は自律神経の乱れを生み出すため、身体的な変化や精神的な不調が現れるようになることが少なくありません。これが更年期症状と呼ばれています。

更年期症状は、個人差が大きく、症状の現れ方やその強さは人それぞれです。多くの女性が経験する症状には、ホットフラッシュや不眠、イライラ感、不安感などがあります。また、体重の増加や肌の弾力低下など、美容面にも影響を与えることがあります。

この時期は、心と体が新しいバランスを見つけようとする過渡期でもあります。自分自身の体の声に耳を傾け、適切なケアを行うことが重要です。

不安感の主な症状

不安感は、「気持ちが落ち着かない」、「心配事や恐れが頭から離れない」といった心理状態になる感情で、更年期の多くの女性が経験します。

常に不安や心配がつきまとい、集中力が低下することがあります。また、イライラや焦燥感を感じることも多く、日常生活に影響を与えることもでてきます。

心の緊張が身体に影響を与えるため、身体的な症状を伴うこともあり、例えば、動悸や息切れ、息苦しさ、冷や汗、手の震えなどの身体の症状を伴うこともあります。これらの症状は、元々はストレスや疲労から生じることが多いのですが、更年期のホルモンバランスの乱れが原因え起こることもあります。

睡眠障害もよく見られる症状で、眠りにつきにくかったり、眠りが浅くなったりすることで、日中の集中力や活力が低下するだけでなく、心身の疲労感が回復しずらくなるので、ますます不安感が増大していきます。

さらに、過敏性腸症候群のような消化器系の症状も報告されています。不安感がストレスとなり、腸の働きが乱れることがあり、下痢と便秘を繰り返すようになります。

以上のような不安感を中心とした症状を抱える方は多いため、きちんと理解し、適切な対処法を見つけることが重要です。

更年期に不安感が生じるメカニズム

更年期に不安感が生じるのは、さまざまな要因が重なっているようです。
1つには、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量の低下に起因しているようです。

エストロゲンは、女性の生殖機能に関わるだけでなく、脳内ではセロトニンやノルアドレナリンなどといった脳内神経伝達物質の正常な働きを守る働きをしていることが分かっています。

セロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれるように、精神を安定させて幸福感を得やすくする作用があります。ノルアドレナリンは、脳を覚醒させ外敵から身を守るために注意力、判断力、集中力を高める作用があります。

このため、これらの神経伝達物質に影響が及ぶと、不安や抑うつ感、イライラする、やる気が出なくなり、学習能力や集中力が低下、注意力が散漫、無気力、無関心などといった抑うつ症状やパニック感、不眠に悩むことにつながると考えられています。

加えて、生活の変化や睡眠の不調などの要因が加わると、不安感を助長していきます。寝不足や質の悪い睡眠は、心身の回復を妨げ、日常生活でのストレス耐性を低下させます。このように、様々な要因が絡み合い、更年期の女性に不安感を引き起こすのです。

更年期の不安感に効くツボ

更年期の不安感に効くツボを以下にご紹介します。これらのツボは、ツボ押しなどで簡単にセルフケアできるので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

百会(ひゃくえ)

「百会(ひゃくえ)」は、頭のてっぺんに位置する重要なツボです。両耳を結ぶ線と、体の正中線が交差する脳天にあたります。

たくさんの経絡(エネルギーがの通り道)が交わるところ、という意味のツボで、体全体の心身のバランスを整えてリラックス効果が期待でき、精神的な不安感を和らげる効果があるとされています。

また、このツボには、上がってしまった気を下げる作用があるので、のぼせ、ほてり、頭痛、めまいなど、上半身の症状を伴って不安感がある時に特におすすめです。

椅子などに座り姿勢を伸ばして、両手の人差し指、中指、薬指を使って、まっすぐ押し下げるように刺激していきましょう。押しながら数回深呼吸すると効果的ですし、ブラシや手で軽くたたくような刺激でもスッキリします。

日々のストレスや不安感がある時には、百会を刺激して心を落ち着けることをお勧めします。簡単にできるセルフケアとして、是非習慣にしてみてください。

ツボの百会(ひゃくえ)

太衝(たいしょう)

太衝は、足の甲に位置するツボです。第1趾と第2趾の間の水かきから少し足首側にある骨と骨との間で、2本の骨がⅤ字になっている凹みです。

太衝は、精神を落ち着かせる働きがあり、更年期に感じる不安感やイライラを軽減し落ち着きたい時におすすめのツボです。

親指でツボ押しなどして刺激すると、身体の中の「気」の流れが改善されて、心が穏やかになります。

このツボをツボ押しする時は、優しい力加減で押すことがポイントです。近くに神経が通っているので、もしツボ押しをしてビリっとした感覚があれば、少し位置をずらして調整してください。

押す時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うように呼吸をつけて押すと、リラックス効果が高まります。
日常生活の中で、空いている時間にぜひ試してみてください。

ツボの太衝(たいしょう)

膻中(だんちゅう)

膻中は、胸の中央部、両乳頭を結ぶ中央に位置するツボです。心臓を囲む胸郭の中心にある、という意味のツボです。特に心の安定をはかり、不安感や緊張を和らげる働きがあるとされているので、更年期におこる不安感やストレスを感じる方には、非常に効果的なツボと言えるでしょう。

膻中をツボ押しすると、精神の安定効果が期待できますが、ストレッチで左右の肩甲骨を寄せるようにして膻中を中心に胸を開くことで、呼吸が楽になってリラックス効果も期待できます。

ツボ押しをする際の注意としては、膻中は痛みを感じやすい場所なので、人差し指などの指の腹でゆっくりと優しく押してみましょう。

もし可能であれば、火傷に注意しながらお灸を試してみましょう。皮膚正面が温かくなるだけでなく、体の深部に熱感が入るとより効果的です。

日常的にストレスを感じている方や、気持ちが落ち着かないなど、不安感がある方は、ぜひ膻中を試してみてください。

ツボの膻中(だんちゅう)

神門(しんもん)

神門は、心を安定させるために非常に効果的なツボです。このツボは、手の平側の手根部、手首のシワの上で、小指側にある腱の親指側のクボミにあります。

心の不安感を和らげるために刺激することが推奨されています。

反対側の親指の腹を使って、ツボ押しをしてみてください。身体の緊張がほぐれてリラックス効果を得ることができると思います。また、深い呼吸を促進し、心の疲れを癒す手助けをしてくれるでしょう。

ツボの紙門(しんもん)

失眠(しつみん)

東洋医学で、失眠とは、不眠と言う意味で、このツボは不眠の特効ツボです。
不安感があり、入眠困難、浅眠、中途覚醒などの不眠を伴うような時に、おすすめのツボです。

不眠があると日中の活動が鈍り、集中力の低下などがおきると、精神活動に影響が及び、不安感が起きることがあります。また逆に不安感があるために、入眠困難など不眠が起きることもあり、不安感と睡眠にはとても大きな関係性があります。

このツボはお灸がおすすめです。お灸でしっかり熱を入れると効果的です。また、拳を作って軽く叩いてみるのもおすすです。睡眠の質を向上しながら、心を落ち着かせていきましょう。

ツボの失眠(しつみん)

ツボの効果的な押し方

ツボの効果的な押し方についてご紹介します。ツボを上手に刺激することで、リラックス効果や不安感の緩和が期待できます。まずは、心地よい環境で行うことが大切です。

静かで温かい場所で、リラックスできる姿勢を整えましょう。ゆっくりとしたBGMや、好きな匂いがあれば、取り入れてみるとより効果的かもしれません。

ツボの押し方の基本

ツボの押しは、基本的には自分の指で行います。ツボ押し棒などを使うことはあまりおすすめできません。
また、無理な姿勢でのツボ押し、強い力でのツボ押し、スピードが速いツボ押しでは、せっかくの効果がありません。

どこにも力が入らず楽な姿勢で、心地よい力加減で、ゆっくりとしたスピードでツボ押しをすることで、効果が期待できます。

ツボ押しは主に親指の指の腹を使い、1-2-3-4-5のリズムでゆっくりと押していき、1-2-3-4-5のリズムでゆっくりと力を抜いていきます。また押していく時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うようにすると、リラックスすることができます。

手など上半身にあるツボは、外出先でもツボ押しができると思いますので、症状が気になる時だけでなく、ちょっとした時間にツボ押しを行っていただくと、より効果的です。

さらにツボの効果を実感する方法

ツボの効果をさらに実感するための方法として、鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。
鍼灸は、東洋医学の考えかたに則ってツボを刺激し、体内の気の流れを改善し、心身のバランスを整える療法です。特に当院では、更年期症状に特化したアプローチを行っております。

鍼灸をお受けいただくことで、リラックス効果を実感できる方が多く、体のめぐりが整い、体がポカポカしてきます。また当日はよく眠れるとの実感をお話いただくことが非常に多いです。

鍼灸がはじめての方でも、専門の女性鍼灸師が丁寧に対応いたしますので、安心してお受けいただくことができます。身体の緊張がほぐれ不安感が軽減されたと、多くの方が喜びの声を寄せてくださいます。

ご自宅でツボ押しをしていただけるように、症状や体質にあったツボをご紹介させていただき、印をつけさせていただきます。印をつけておけば、ツボを探す心配がなく、自宅ですぐにケアが始められます。
定期的にツボを刺激することで、より良い効果を得られて心の安定感が保てるようになるでしょう。

更年期の不安感に対するその他の対策

更年期の不安感に対する対策は、ツボ押しや鍼灸だけではありません。生活習慣や食事、心のケアも大切です。

規則正しい生活や十分な睡眠や適度な運動を取り入れることで、身体の調子を整え、不安感を軽減することができます。

また、栄養バランスの取れた食事も心の健康に寄与します。特に、ビタミンB群やマグネシウムを多く含む食材を積極的に摂取することで、神経の働きをサポートし、不安感を和らげる効果が期待できます。

さらに、ストレスを軽減するためのリラクゼーション法や趣味に取り組むことも有効です。アロマセラピーや深呼吸、瞑想など、心を落ち着ける時間を持つことで、不安感をコントロールしやすくなります。これらの方法を取り入れ、総合的に心身の健康を促進していくことをおすすめします。

適度な運動

更年期の不安感を軽減するためには、生活習慣の改善が欠かせません。まず、規則正しい生活リズムを確立することが大切です。毎日同じ時間に起きて、日中は活動し、夜はしっかりと睡眠を取ることで、体内時計のリズムが整います。十分な睡眠は、心を落ち着けるだけでなく、ストレス耐性を向上させます。

生活習慣の改善

更年期の不安感を軽減するためには、生活習慣の改善が欠かせません。まず、規則正しい生活リズムを確立することが大切です。毎日同じ時間に起きて、日中は活動し、夜はしっかりと睡眠を取ることで、体内時計のリズムが整います。十分な睡眠は、心を落ち着けるだけでなく、ストレス耐性を向上させます。

適度な運動

適度な運動は、更年期の不安感を軽減するための非常に効果的な方法です。ウォーキングや軽いストレッチなどの運動は、血行を良くし、ホルモンバランスを整える手助けとなります。
また運動を行うことで、βエンドルフィンの分泌を促します。別名脳内モルヒネと言われるもので、運動後の爽快感や精神的ストレスの解消に大きく貢献すると言われています。

また、呼吸をつけながら行うストレッチやヨガもおすすめです。呼吸をつけながら行うことで自律神経を整える作用が期待できるため、心身のリラックスを促し、緊張をほぐすことに役立ちます。

運動は続けていくことが重要なので、自分に合ったリズムで行うことが大切です。無理のない範囲で、楽しく続けられる運動を見つけ、日々の生活に取り入れてみてください。心も身体も健康であるために役立つものになるでしょう。

バランスの良い食事

バランスの取れた食事を摂ることはとても大切です。特に栄養素に注目し、ビタミンやミネラルを豊富に含む食材を積極的に取り入れることをおすすめします。

ビタミンCやEは、抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの材料となります。ビタミンCはブロッコリーやキウイに多く、ビタミンEは卵やアーモンドに多く含まれています。

ビタミンB群は、神経系や脳の働きを高めてくれます。脳がストレスに対処するために、必要不可欠な栄養素と言えます。ビタミンB群は、豚肉や魚類に多く含まれています。

必須アミノ酸のトリプトファンは感情をおだやかに保ち、ストレスを減らしてくれる神経伝達物質のセロトニンの材料となります。トリプトファンは大豆製品や乳製品に多く含まれています。

マグネシウムはホルモンのバランスを保つのに役立ち、ストレスや情緒不安定さを和らげ精神の安定につながります。マグネシウムはナッツ類や大豆製品に多く含まれています。

これらの栄養素は心身共に健康を保つ手助けとなるので、日頃の食生活を見直していきましょう。

心身の健康を意識して上記のような栄養素をバランスよく取り入れていき、更年期の不安感を軽減していきましょう。

リラクゼーション法

リラクゼーションは、更年期の不安感を軽減するために効果的な手段の1つです。心と身体の緊張を和らげることで、リフレッシュし、ストレスを軽減することができます。

簡単にできるリラクゼーション法として、深呼吸を試みてはいかがでしょうか。ゆっくりと息を吸い、吐くことに意識し、ゆっくり息を吐いていくと、身体がリラックスし、心も穏やかになっていきます。

また、アロマセラピーもおすすめです。嗅覚は脳に直結しているので強い影響を与えます。
ラベンダーやカモミールなどのリラックス効果が期待できる香りや、もし好きな香りがあればそれを使うとリラックスすることができます。

もし体を動かすことが好きであれば、ヨガやストレッチなどゆったりとした動きは心身のリラックスには効果的です。身体を動かすことで血流が促進され、気分もすっきりします。

その他、趣味に没頭するとか、音楽を聴くなど、自分に合ったリラクゼーション法を見つけて、心の安定をはかっていきましょう。

まとめ

更年期は女性の人生の中で避けられない時期ですが、この時期に現れる不安感に悩む方は少なくありません。そんな不安感を和らげるための方法のひとつが、ツボを刺激することです。ツボは体内のエネルギーの流れを整える役割を持っており、適切に刺激することで心の安定を図ることができます。

今回紹介したツボにツボ押ししてみることで、不安感を和らげる助けになる可能性があります。ぜひ、今日から身近にできるケアとしてツボ押ししてみてはいかがでしょうか。

また、鍼灸院で専門のケアを受けることで、さらに効果的に不安感の軽減を目指すことができます。当院は全員女性鍼灸師なので、安心してお気軽にご相談ください。