眼精疲労とは、単なる目の疲れ(疲れ目、眼疲労)などの目の症状だけでなく、首肩こり、頭痛、吐き気、倦怠感、めまいなどの全身症状が合わせて出ているような場合を言います。
このページでは、眼精疲労の原因について詳しくみていきます。
目次
眼精疲労の4つの原因
眼精疲労の原因は、大きく分けて以下の4つをあげることができます。
- 目の異常
- 全身の病気
- 目の使い過ぎや環境
- 精神的なストレス
目の異常
①屈折異常(近視・乱視・老眼など)とその矯正不良
近視・乱視・老眼などが進むと、ピント調整を行うために毛様体筋の緊張が続きます。
近視・乱視などで視力が低下してきたり、40代半ばから老眼が始まると、目を凝らしたり、首を前に猫背の悪い姿勢になり、目が疲れるだけでなく、首や肩がこってしまいます。
また、眼鏡やコンタクトによる矯正が適切でない場合も、同様に毛様体筋に負担をかけ、眼精疲労の原因となるので、定期的に検査を受けることが必要です。
また、目のピント調整には自律神経が関係しており、近くを見る時は “副交感神経” が働き、遠くを見る時は “交感神経”が働きます。
しかし、本来は、日中仕事をしたり、活動する時は “交感神経” が働き、逆に、家でリラックスしたり、夜寝る時には “副交感神経” が働きます。
仕事でVDT作業を行う時、仕事では交感神経が働きますが、VDT作業で近くのディスプレイを見ることは副交感神経が働きます。
このように自律神経のアンバランスが起こり、眼精疲労の原因となっています。
②ドライアイ
「ドライアイ」は、眼球の表面(角膜や結膜)が乾いてしまう病気です。
VDT症候群など目を酷使する人や、コンタクトレンズを使っている人はドライアイになりやすく、しばしば眼精疲労を伴います。
集中して画面を見つめるVDT作業では、まばたきが減り、涙が目の表面から蒸発しやすくなり、目の乾燥が進むといわれています。
③白内障
「白内障」は、主に加齢によって水晶体が濁る病気です。
白濁することで視力が低下し、まぶしさを感じるようになり、眼精疲労の原因となります。
白内障は手術で治せますが、手術後に少し見え方が変わるので、それがかえって眼精疲労を起こすこともあります。
④緑内障
「緑内障」は、網膜の視神経が障害されて視野が狭くなる(見える範囲が狭くなる)病気です。
しっかり治療せずに放置していると、失明することもあります。
緑内障は眼圧(眼球の内圧)が高くなることが多く、頭痛が起きやすくなります。
⑤眼瞼下垂
「眼瞼下垂」は、まぶた(上眼瞼)が垂れ下がってくる病気です。
視野の上の方が見えなくなるので、物を見るときに頭を後ろへ反らすなどしなければならず、眼精疲労の原因になります。
⑥斜視・斜位
物を見るときには両眼が連動して動き、わずかに寄り目になって視線を一点に合わせます。
両眼の視線が一致せずに左右別々の方向を向いてしまうことを「斜視」といい、眼精疲労の原因になります。
「斜位」とは、物を見るときは視線が一致するものの、視線を合わす対象がない場合(例えば真っ暗な闇の中や目を閉じたときなど)に、左右の眼が別々の角度を向いていることです。
ものを見る際に、左右の視線を合わせる努力を強いられることになり、眼精疲労がおこります。
全身の病気
脳神経疾患、高血圧、低血圧、糖尿病、自律神経失調症、虫歯、歯周病、かぜ、インフルエンザ、月経異常、更年期障害、耳や鼻の病気などに伴って、眼精疲労の症状が出ることがあります。
目の使い過ぎ、目を使う環境の問題
当然のことながら、目は使えば使うほど疲れます。
情報化が加速的に進み、目を使う “視環境” が、ますます過酷になってきています。
かつては、会社でのVDT作業の長時間労働が問題視されていましたが、近年では、家庭内へのパソコンやゲーム機の普及、一人一台のスマートフォンやタブレットの浸透などによって、目を酷使する機会と時間が増えています。
さらに、シックハウス症候群(住居の建材に含まれる化学物質などの影響による体調不良)と眼精疲労の関係も指摘されてきており、目を休める時間と場所がなくなりつつあります。
精神的ストレス
ストレスが強くなると、不安感、イライラ、眠れないなどといった精神面での不調が起きるだけでなく、血圧が上がる、血液のめぐりがわるくなる、胃腸の不調、肩や背中が張って凝るなどといった身体面にも不調をおこすことがありますが、眼精疲労もその一つとして起きることがあります。
以上のように、眼精疲労の原因として4つの項目をあげることができますが、これらのうち1つだけが該当しないような時には、疲れ目(眼疲労)の症状は起きても、眼精疲労にまで、進行することはあまりありません。
疲れ目(眼疲労)の原因がいくつか重なり合っていくことで、眼精疲労へと進行していきます。
眼精疲労が起きてしまうと、症状を解消していくためには、時間がかかってしまいます。
疲れ目(眼疲労)の段階で、原因を解消し、ケアしていくことが、眼精疲労をひきおこさない予防策につながります。
この記事を書いた【アキュモード鍼灸院】について
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