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低気圧不調(気象病)・低気圧痛とは?
天気の変化と、体の不調や病気の関係は、昔から知られていますが、気象要素(気圧、温度、湿度、日照時間、降水量、雷、風など)から体に悪影響を受けるものを【 気象病(きしょうびょう)】と総称しています。
その中で、天気の変化(気圧の変化)、つまり、天気が悪くなる時に、主に体に疼痛の悪化や、不調がおきることを【低気圧不調】、【低気圧痛】、【天気痛】などと言います。
低気圧の体への影響
”天気の変化” = ”気圧の変化” が起きると、私たちの体はどうなるのでしょうか?
どのように体が反応して、不調が起きるのか、解説していきます。
体の中で、”天気の変化” = ”気圧の変化” を感じ取るのは、なんと、耳の奥にある内耳(ないじ)なんだそうです。
内耳がセンサーとして気圧の変化をキャッチし、その情報を “脳” = “自律神経” に伝えます。
自律神経には、交感神経と副交感神経と呼ばれる2種類の神経がありますが、これらの2種類の種類は拮抗する(正反対の)働きを担っており、体全身を調節しています。
簡単に言うと…
例えば、胃腸などの内臓の働きを活発にするためには、副交感神経が活発に働き、交感神経はお休みします。
例えば、スポーツをする時には、交感神経が活発に働き、副交感神経はお休みすることになります。
このように、2つの神経はシーソーのように、片方が働く時には、もう片方はお休みする、という関係にあり、主に交感神経は体が緊張する時に働き、反対に、副交感神経はリラックスする時に働きます。
気圧の変化は、特に交感神経に作用し、体が緊張するような反応をひき起こします。
このような体の反応は決して特別なことではなく、生理的な反応であり、誰しもが多かれ少なかれ起こる反応です。
しかし、内耳のセンサーが敏感であると、わずかな気圧の変化にも反応してしまいます。
そして、過剰に自律神経が作用して体調の不調をひきおこす原因となるのです。
低気圧不調・低気圧痛の症状
低気圧不調や低気圧痛は、いわば、過剰に反応してしまった自律神経の症状です。
自律神経は、体調を正常に保つために、呼吸、血液循環、消化、体温調整など、体のさまざまな働きをコントロールしている神経であるため、症状が多岐にわたります。
低気圧不調の代表的なものには、
- 頭痛・頭重感・・・低気圧頭痛と言います
- めまい・ふらつき
- だるい・疲労感
- 関節痛・節々の痛み・膝や肩の痛みの悪化など・・・低気圧痛と言います
- 気持ちの落ち込み(うつ)
- 吐き気などの消化器症状
- 喘息
- 首の痛み、肩こりの悪化
などがあり、さまざまな症状が出るのが特徴です。
低気圧不調(気象病)は、その名の通り、気圧の変化(気象変化)の激しい【季節の変わり目】である春先や、秋口、そして【梅雨時】に起こりやすく、また、夏から秋に発生する【台風】の接近によって起こります。
患者様の中には、東京は晴天であっても、台風が沖縄近くに来ている頃、頭痛が締め付けられるという症状を訴えられる方がいらっしゃいます。
実際、数日後には、東京も雨風など、台風の影響を受けはじめるのですが、とても敏感に体が反応しているのですね。
「雨の降る前の日に関節が痛むんだよね」という話を聞いたことがある方は少なくないと思いますが、これも低気圧不調、低気圧痛の一つですね。
低気圧不調や低気圧痛に対する鍼灸
低気圧や気圧の変動は自然現象です。
ですから、根本的な自然現象をどうにかすることはできません。
それでは、低気圧不調や低気圧痛の症状が起きてしまったら、どうしたらよいのでしょうか?
- 低気圧は自然現象だから、仕方ない… と、あきらめるのでしょうか?
- そのうち低気圧は去るから、それまでの辛抱だ… と、神だのみをするのでしょうか?
- これが歳なのかしら… と、ガッカリするのでしょうか?
確かに、ある意味そうなのかもしれませんが、あきらめず、神だのみせず、前向きに対策していきませんか?
「え? だって、低気圧は自然現象じゃない…」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
”自律神経が過敏に作用しないように調整していく” ことが可能なのです!
自律神経は、
- ストレス
- 寝不足
- 過労
- 冷え
- 生活(衣食住)の乱れ
などがあると、働きが乱れていきます。
ですから、まずはご自身で生活習慣を見直して、正せるところから正すことが大切なのです。
そして、おすすめは、鍼灸です。
鍼灸は、鍼とお灸の刺激で、体質改善をおこないながら、自律神経の軌道修正をしていきます。