東洋医学は、中国3000年とも、4000年ともいわれている歴史の中で、経験的に積み重ねられてきた経験医学の1つです。

西洋医学が確立する以前より、長い歴史を持つ医学です。

鍼と灸は東洋医学の中の2つの療法です。

さまざまな疾患、幅広い症状に有効であることが、経験的に知られてきましたが、近年の科学的な基礎実験や臨床実験で、その有用性が明らかになってきています。

次にあげるような世界的に有名な機関でも、鍼灸の効果を認め、鍼灸の適応症をあげています。

刺鍼

WHO(世界保健機構)が認める適応症

WHO(世界保健機構)では、次の41疾患を鍼灸の適応症として認めています。

神経系

三叉神経痛、肋間神経痛、頭痛、偏頭痛、顔面神経麻痺、歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、打撲による麻痺、末梢神経系疾患、多発性筋炎

運動器系

頚腕症候群(首肩こり)、腰痛、坐骨神経痛、関節炎

消化器系

胃酸過多症、胃下垂、便秘、下痢、食道・噴門痙攣、しゃっくり、急性・慢性胃炎、麻痺性イレウス、慢性・急性十二指腸潰瘍、急性・慢性腸炎、急性細菌性下痢

呼吸器系

感冒、急性気管支炎、気管支喘息、急性鼻炎、急性扁桃炎、急性上顎洞炎急性咽頭炎

泌尿器系

神経性膀胱障害、夜尿症

感覚器系

近視、急性結膜炎、メニエール氏病、白内障、中心性網膜炎

NIH(アメリカ国立衛生研究所)が認める鍼灸の適応症

近年、NIH(アメリカ国立衛生研究所)は、鍼灸療法は、各種の病気に対する効果、その科学的根拠、西洋医学の代替治療としての効果などを調査し、その結果「有効である」と発表しました。

鍼灸に有効性がある適応症として、次ぎの75疾患をあげています。

運動器系頚肩腕症候群(首肩こり)・腰痛・頚椎捻挫後遺症(むち打ち損傷)・五十肩・腱鞘炎・関節炎・リウマチ・外傷の後遺症(骨折・打撲・捻挫)
循環器系疾患動悸・息切れ・高血圧・低血圧症・心臓神経症・動脈硬化症
呼吸器系疾患気管支炎・喘息・風邪および予防
消化器系疾患胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝内分秘系疾患バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
泌尿器・生殖器疾患膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎(インポテンツ)
婦人科系疾患生理痛・月経不順・不妊・血の道症・更年期障害・乳腺炎・白帯下・冷え性
耳鼻咽喉科系疾患中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
眼科系疾患疲れ目・かすみ目・眼精疲労・仮性近視・結膜炎・ものもらい
小児科疾患小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

鍼や灸の施術を行うことができるのは、日本では鍼師、灸師という厚生労働省が認可する国家資格を取得した者だけが許されています。

現在では、鍼師、灸師は、4年制の大学、もしくは、専門学校で3年間15科目の教育を受け、一定の成績取得者のみが国家試験受験資格を得て、年1度行われる国家試験を受験することができます。

国家試験の15科目の中には、ツボや、哲学的な、いわゆる東洋医学的な内容だけではなく、むしろ、西洋医学的な科目である生理学、解剖学、病理学、臨床医学、リハビリテーション学などといった科目の方が多く、幅広い知識を習得しなければなりません。

施灸