ホーム>コラム>妊活・不妊>不妊検査はどんな検査?

妊活をはじめた方は、「病院に行った方がいいのかな…、どうしよう…」と、思う方は多いと思います。
でも、なかなか病院への一歩が踏み出せないと思います。

それは、

  • 病院ではどんなことをされるのか
  • いわゆる「不妊検査」とはどんなものなのか

といったことが分からないので、不安に思うのだと思います。

病院に行ったら必ず受けることになる「不妊検査」がどのようなものなのか、予備知識が少しでもあれば、病院に対する不安な気持ちが減るのではないかと思います。
不妊検査は、月経周期によっても違うので、月経周期ごとの検査内容を解説していこうと思います。

卵胞期(月経~排卵前まで)の不妊検査

ホルモン値の測定

血液検査で、何種類かのホルモンの値を同時に調べます。

  • 脳下垂体から分泌されるホルモン値
  • 卵巣から分泌されるホルモン値

※月経2日目~5日目に計測すると、本来の卵巣機能の予備能力がわかります。

子宮卵管造影検査(月経が終了~排卵前まで)

この検査は、実は…

  • 痛かった!
  • もう二度と受けたくない

などの感想が多い検査なのですが、とても大切な検査です。

卵管は、排卵された卵子が子宮へと向かう通り道であり、精子との受精が行われる大切な管です。
この管が詰まっていると、妊娠できないので、管が正常であるかどうかチェックします。

子宮内にチューブを挿入しバルーン固定して、造影剤を注入していきます。
X線透視で造影剤が子宮→卵管→腹腔(お腹の中)に広がっていく様子を観察するものです。

ただし、甲状腺の病気がある場合には、造影検査はできません。
代わりに、生理食塩水を注入する ”通水検査” が実施されます。

どちらの検査も、緊張して力が入っていると痛みを感じやすく、また医師の技量によっても痛みの程度が変わります。
ゆっくり進行してもらうことで、痛みの程度が軽くなるようなので、痛みを感じた場合には、我慢せずに担当医師に申し出ましょう。
ただし、子宮内にチューブの挿入、造影剤や生理食塩水を注入していく検査なので、残念ながら、軽い生理痛程度の痛みは誰にでも伴うものです。

排卵期の不妊検査

卵胞ホルモン値の測定

血液検査で調べます。
排卵時にエストロゲンがどれくらい分泌されているか、チェックします。

超音波検査による卵胞の大きさのチェック

超音波を使って、卵巣の中の卵胞の大きさをチェックします。
卵胞は1日2mm程度ずつ大きくなり、20㎜程度の大きさになると排卵が起こります。
ですから、卵胞の大きさをチェックすることで、排卵のタイミングが分かります。

ヒューナーテスト

前日に性行為をする必要がありますが、子宮頸部の粘液の中に元気な精子がいるかどうか、チェックします。

頸管粘液検査

子宮頸部の粘液が、精子が子宮の中に入っていける質であるかどうかをチェックします。

黄体期の不妊検査

黄体ホルモン値の測定

血液検査で、着床を促し妊娠を維持するホルモンである黄体ホルモンの値をチェックします。

プロラクチン値の測定

血液検査で、着床を妨げたり、流産の原因になるホルモンのプロラクチンの値をチェックします。

その他の不妊検査

クラミジア感染症の検査

尿検査や膣分泌液により検査を行います。
クラミジア感染症は、性感染症です。
性感染症にはおりものが増える、悪臭がするなどの症状が出ることがありますが、クラミジア感染症の場合、ほとんどが無症状であることが多い疾患です。
感染に気付かず、放置すると、子宮から上行性に感染が広がっていき、卵管炎、卵巣炎、腹膜炎などをおこし、不妊症の原因になることがあります。

抗精子抗体の検査

血液検査で調べます。

精子を異物と認識し、精子の動きを妨げる抗体を作ってしまうケースが数%あり、女性側に抗体がある場合、自然妊娠する確率はかなり低く、人工授精が適応となります。

また、男性側に抗体ができてしまう場合もあり、体外受精、もしくは、顕微授精が推奨されます。
「原因不明の不妊症」とされていたものの一部が該当するようです。

AMH(アンチミュラーホルモン)値の測定

血液検査で調べます。

発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンの値で、原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を反映すると考えられており、

  • 卵巣内に、あとどれぐらい卵子が残っているかのか
  • あとどれくらい排卵できるのか
  • 卵巣の予備能がどれくらいあるのか

ということを推測する指標となります。
数値が低い場合には、妊活や不妊治療を前倒しで行っていくことが必要となります。

子宮筋腫、内膜症、ポリープの有無の検査

子宮内膜に筋腫やポリープによって歪んでいると、着床障害につながり、不妊や子宮外妊娠の原因となります。

甲状腺の検査

血液検査で調べる項目です。

甲状腺から分泌されるホルモンは、卵胞の成長にも必要なホルモンです。
甲状腺ホルモンの量が十分でないと、卵胞は成長せず、排卵が起こりません。

甲状腺の病気には、機能が亢進する場合と、低下する場合があります。
甲状腺機能が亢進すると、排卵までの期間が短くなりやすく排卵障害をおこし、妊娠後には流産、早産、妊娠性高血圧がおこります。
一方、甲状腺機能が低下するとなかなか卵胞が成長せずに無排卵、無月経が起こりやすくなります。

甲状腺の病気は、女性に多いため、妊活には必要な検査となります。

精子検査

2~5日程度の禁欲をした後に、自宅で精液を採取して病院に持参するか、病院の採精室で採取して検査を受けます。
自宅で採取して持参する場合には、採取後1時間以内に持参しなければなりません。

精液の量、精子の数、精子の運動率、精子の形態の正常率/奇形率などを調べます。

【WHO(世界保健機関)の基準値】

  • 精液の量:1.5ml以上
  • 精子の濃度:1,500万/ml以上
  • 精子の運動率:40%以上
  • 精子の携帯の正常率:4%以上

 

以上の他にも、検査が加わる場合もあるかもしれませんが、不妊に関する検査はたくさんあり、単に検査だけ行う場合もあれば、治療と並行して、必要な時に随時行われる場合もあります。

女性の年齢が高い場合には、一般的にはホルモンバランスが乱れやすく、婦人科疾患や甲状腺のトラブルを持っている場合が多いので、一通りの検査を受けることが必要だと思います。

初めて婦人科を受診される方にとって、ましてや、日頃健康で病院にはほとんど無縁であった方にとって、婦人科という標榜科の病院を受診するだけでも、精神的に疲れることと思います。
ましてや、”内診” を受けることは、覚悟していることとは思っても、かなり抵抗感があって、これをあと何回受けるのかと想像するだけでもゾ~っとするかもしれません。
でも、妊活をスムーズに進めていくために、乗り越えなければならないものなので、頑張って検査をお受けください。