紫雲膏(しうんこう)とは?

火傷や傷など皮膚のトラブルの際に塗る生薬から出来た油脂性軟膏剤です。
傷口から出る無色透明の滲出液という成分は、サイトカイン(タンパク質など)や成長因子と呼ばれるもので、傷を修復し、皮膚を再生する細胞の成長を助けます。
油脂性の軟膏を塗って滲出液で潤った環境だと、表皮細胞はよりスピーディに分裂し、傷が早く治るのです。
 

紫雲膏(しうんこう)の適応症

紫雲膏の主な適用は…

  • ひび、あかぎれ、しもやけ、魚の目
  • あせも、ただれ
  • 外傷、火傷(やけど)
  • 痔核による疼痛、肛門裂傷
  • 湿疹、皮膚炎   など

 

紫雲膏(しうんこう)の歴史

紫雲膏の歴史を見てみましょう。
紫雲膏は、江戸末期の名医・華岡青洲によって作られました。
中国で書かれた漢方の古典『外科正宗』に潤肌膏という漢方薬が記載されています。
この潤肌膏を元にして、紫雲膏が作られたのです。

華岡青洲は1804年に経口麻酔薬である通仙散を作ったことで知られています。
この薬を用いて、世界で初めて乳がんの手術を行いました。
漢方医学と蘭方医学の両方を学び、膏薬治療に優れていたことでもよく知られています。
 

紫雲膏(しうんこう)の成分

紫雲膏の成分は…

  • 紫根(しこん)
  • 当帰(とうき)
  • 胡麻油(ごまゆ)
  • 蜜蝋(みつろう)
  • 豚脂(とんし)

この5つ。
豚脂はラードのことです。
材料がそろえば自分で作ることも可能です。

良く知られた成分だけでできている軟膏なので、赤ちゃんのおむつかぶれの時などや、授乳時のお母さんの乳首が乾燥して切れてしまったときにも使用できます。
(授乳の際には拭き取る、アレルギーなど注意が必要な場合もあります。)
 

紫雲膏の紫色は、原料の紫根(しこん)もしくは紫草(しそう)とも呼ばれるムラサキ科植物・ムラサキの根に由来します。
この根にはシコニンやアセチルシコニンなどが含まれ、抗炎症作用や肉芽形成促進作用があるとされます。

ムラサキ利用の歴史は古く、8世紀には各地の風土記に生育の記載があり、10世紀の『延喜式』には関東や九州の各地から紫草が税として納められたと記されており、集められた紫草は宮中で衣服の染色に用いられていました。
朝廷では官位により衣服の色が異なり、深色(こきいろ)、深紫(こきむらさき)と呼ばれる濃い紫色は臣下の最高位の色とされました。
何度も重ね染めすることで濃い色を作り出すには、手間と時間がかかるため、権威の象徴とされたのでした。

因みに「紫雲」とは、「高僧など徳の高い人が亡くなると、阿弥陀如来が紫色の雲に乗って魂を極楽浄土へ迎えに来る縁起の良い雲で、この時の紫雲を見ることが出来た人も幸運を手に入れる」という吉兆を意味する言葉です。
 

紫雲膏(しうんこう)は、お灸でも使われます

鍼灸では、透熱灸という米粒ほどの小さなお灸をする際に、皮膚に綿棒などで紫雲膏を少量ぬり、その上にお灸をのせてお線香で火をつけるという治療をすることがあります。
お灸には止血作用・造血作用・強心作用・消炎作用などなど、免疫力を高める効果もあります。
細胞が活性化され、免疫作用がアップするほか、リンパの流れが改善されますから、むくみの解消にもつながります。

透熱灸は80度を超える高温となりますが、まず紫雲膏を塗ってからお灸をすることで、体感温度41~2度ほどまで下げることができ、肌に優しくお灸をすることができます。
抗炎症作用や肉芽形成促進作用がある紫雲膏とお灸の相乗効果と言えますね。



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