頭痛について

国民病と言われるほどの「頭痛」。
15才以上の片頭痛を患う人は約800万人、緊張性頭痛は約2000万人、4人に1人が頭痛に悩んでいます。
中でも女性が男性の 3.6 倍多いとされ、 患者層としては 30 代女性がもっとも多いと言われています。

多忙な生活を送る現代人は様々な不調を抱えていますが、頭痛については男性よりも女性のほうが気になる症状として挙げる方が多いようです。

頭痛を引き起こす様々な原因について

頭痛には原因があります。 原因が全く違う複数の頭痛を発症する方もおり、例えば片頭痛と緊張型頭痛を合併している方はとても多いです。
頭痛の種類は大きく2つに分けられ、特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛(一次性頭痛)と、病気が原因であらわれる頭痛(二次性頭痛)があります。

一次性頭痛の代表は「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つ。
一次性頭痛は機能性頭痛、慢性頭痛とも呼ばれ、「頭痛持ち」と呼ばれる人の多くはこのタイプになります。
二次性頭痛は外傷、感染、脳腫瘍、顔面や頭蓋の構成組織の障害に起因するものなど多種多様です

2020年に製薬会社が行った「天気痛」の調査では、首肩こりや関節痛など様々な症状がある中で、最も多い症状が頭痛であり、女性の6割が天気痛の悩みは頭痛であると答えています。
また、頻度の質問に対しては、天気痛の発症は平均週2.2日であることがわかりました。
日数ごとの割合を見ると、1〜2日で治る方が多いものの、約3割の方が週に3日以上天気痛の症状に悩まされていることがわかりました。

筋肉の緊張が原因でおこる頭痛

緊張型頭痛

「緊張型頭痛」は、頭の横の筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することで起きます。
筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激され起きる痛みです。
人混や買い物をしているうちに頭痛が起こることがあります。
いわゆる疲れて頭が痛くなるものでこれも緊張性頭痛と呼ばれます。
血管が拡張して痛む片頭痛とは異なり、頭や首の筋肉が凝るために起こる頭痛です。

身体的なストレスによる頭痛

長時間のデスクワーク(上半身を前屈みにしたパソコンの操作、またはうつむき姿勢の持続)など同じ姿勢をとり続けることで、肩や首の筋肉がこり、そのこりや疲れが頭部の緊張を引き起こし、緊張型頭痛の原因となります。
長時間にわたって同一体位となるデスクワークや、パソコンでの作業が主な仕事となる職業の人は発症リスクが高いといえます。

精神的なストレスによる頭痛

人間関係や仕事のプレッシャー、悩みなど精神的なストレスを感じると、体の神経や筋肉の緊張が高まり、緊張型頭痛を引き起こすことがあります。
また、うつ病で頭痛を発症することがあります。うつ病頭痛の場合、ほとんどは緊張型頭痛に近い症状が多いのですが、片頭痛や群発頭痛などを引き起こすこともあります。
緊張型頭痛に似た症状の原因の例として、神経伝達物質であるセロトニンが急激に減少することにより、うつ病頭痛が起こると考えられているのですが、これに伴って精神的ストレスが重なり緊張型頭痛と同じ症状として、うつ病頭痛が現れます。

骨格のゆがみによる頭痛

いろいろな改善方法を実施しても頭痛が良くならない場合、首の骨のゆがみが原因で頭痛が起きている場合があります。
頸椎が歪んでいると、頸椎の中を通って脳に繋がっている椎骨動脈という血管の流れが悪くなり、この動脈の周りの神経を刺激します。
首の骨の血行が悪いと、脳への血液循環が悪くなるため、筋肉の緊張も引き起こすのです。

また、かみ合わせが原因でおこる頭痛もあります。
一般的に、顎関節周辺の不調と頭痛は、あまり関係ないと考えがちです。しかし、顎のズレ・噛み合わせが悪くなることで頭痛の症状を引き起こすことがよくあります。
顎関節は、下顎骨の下顎頭と呼ばれる骨の部分と、頭蓋骨を構成する骨の一つの側頭骨とが、関節円板という柔らかい組織を挟んだ形でできた関節です。
顎関節は、正常な状態では左右均等に顎や頭蓋骨にかかる力を受け止めています。これが何らかの原因で下顎にかかる力が左右均等でなくなると、顎が水平ではなく左右のいずれかに傾いた、ひずんだ形で動かされることとなります。
すると、一方の下顎頭は下方に引かれ、もう一方の下顎頭は上方の側頭骨の方へ押し込まれます。
この状態が長く続くと、「側頭骨など顔面骨格がズレる」「顎関節周辺の筋肉が過緊張を起こす」ことにより、頭痛の症状となって現れることがあります。

血管拡張が原因でおこる頭痛

片頭痛

なんらかの理由で脳の血管が急激に拡張して起きるのが「片頭痛」です。
交感神経が働きすぎると、血管が収縮し血行が悪くなります。
反対に副交感神経が活発になると、血管が拡張するのです。
血管の働きと密接に関係している自律神経を整えることが、頭痛の予防や症状の軽減につながります。

群発性頭痛

突然、ジーンと右目のまわりに焼け火箸を押しつけたような痛みがはじまります。
同時に右目から涙が出はじめ、また鼻水も流れてきます。
鏡を見ると額から目のしろめまで、赤くなっています。
これが群発頭痛です。頭痛のなかの王様ともされるほど、激しい痛みが現れます。
これも片頭痛と同様に血管性頭痛の一つです。
頭痛発作時には内頸(ないけい)動脈や眼動脈といった、太い血管に血管収縮が起こり、ついでこれが拡張するときに周囲がむくみます。
同時に動脈に沿って走る交感神経のネットワークが障害を受け、自律神経の症状が起こります。
統計によると、80~90%が男性とされています。
発病は20~30代が多く、年齢とともに軽くなっていきます。

ストレスによる頭痛

ストレスは、ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)の乱れと自律神経系の乱れの2つが原因だと考えられています。
ストレスホルモンは、副腎皮質から分泌される「コルチゾール」などのホルモンのことで、これは体内で合成・分泌されているステロイドになります。
ステロイドの作用に、体液量を増やすことで血圧を上げるという作用があります。
ストレスを受けたとき、私たちの身体はストレスと闘おうとしますので、血圧を上げて身体を戦闘態勢にするのです。
このような脳の血圧上昇に伴う血管の収縮・拡張や脳の血液量の増大は、頭痛の原因の1つになります。

低気圧による頭痛

低気圧や台風の接近など、天候の変化によって頭痛が起きることはよく知られています。
なぜ低気圧によって頭痛が起きるのか?という原因は特定されていないのが現状です。
低気圧頭痛の原因は諸説ありますが、気圧が低くなると脳の血管をおさえていた圧力も下がって血管が広がる、つまり低気圧で起きる頭痛は「片頭痛」だと考えられています。
普段から偏頭痛の悩みを抱える人には「雨の日はふだんよりひどい」という実感があるようです。

女性ホルモンの変動による頭痛

片頭痛で悩む女性の約半数が、片頭痛が月経と関連して起こることを自覚しています。
実際に月経開始の2日前から月経3日目までに片頭痛発作を起こす人が多いことが知られており、これは女性ホルモン、特にエストロゲンが関連していると考えられています。
月経時に起こる頭痛時期と、エストロゲンが低下する時期がほぼ同時期なことから、エストロゲンとの関係が考えられます。
また、月経時以外にエストロゲンが減少する排卵日の前後にも、頭痛を訴える人が多いことからその関連性は強いと考えられます。
エストロゲンが低下した際に頭痛が発症するのは、エストロゲンが低下した場合に、セロトニンという脳内物質も減少するからです。
セロトニンの働きの1つに血管を収縮させる作用があります。
しかしセロトニン量が減ることで脳の血管は急激に拡張し、大量の血液が流れ込んできます。
その血液を受け入れる血管の壁に「一定の強度がない」と血管は膨張し脈を打ちます。
その脈が並走している神経に触れ片頭痛を発症します。
あるいは血管の内壁と血液の間で抵抗(摩擦)が高まりすぎて、活性酸素が発生し広範囲に頭痛が発生する場合もあります。

頭痛に対する鍼灸治療

頭痛はWHOや英国医師会などでも鍼灸の適応疾患として挙げられています。
また、日本頭痛学会では、治療のガイドラインとして、鍼灸治療をあげており、特に片頭痛に対しては非薬物療法として鍼灸治療の推奨度をAに位置づけています。

一次性頭痛の鍼灸治療は頭痛の種類によって異なり、緊張性頭痛の場合は緊張した頭や頸や肩のまわりの筋肉をほぐし、筋肉の緊張を取り除いて頭部への血流を正常にします。
また、片頭痛の場合は、頭頸部以外に手や足にあるツボを刺激して神経に働きかけ、おもに神経の乱れや血管の拡張を調整する治療を行います。

当院の特徴

頭痛には目の酷使による眼精疲労からくるもの、肩凝りからくるもの、生理前症候群、そのほかにもたくさんあり原因は人それぞれです。
また体格や体質、生活習慣も異なります。その為頭痛を訴える患者さん全員に同じ治療をするわけではなく、その方の状態に合わせたツボ(経穴)を全身から適切に選択し、オーダーメイドの治療をしていきます。

必要に応じて顔や目の周囲に鍼を打つこともあれば、症状にあわせて頭のてっぺんにあるツボ(百会)にお灸を併用することもあります。
現在では顔への刺鍼は美容鍼としてかなり浸透してきましたが、美容目的だけでなく治療としても行います。
症状により個人差はありますが、生活習慣を見直すとともに鍼灸治療を一定期間きちんと受けていただければ、その良さが実感できるものと思います。

※当院では対応できない頭痛(次のような症状がある場合は速やかに医療機関の受診をお勧めいたします。)